はぐれものどうし。２ (ページ4)

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「いや、まじで今日はこれでお別れだと思わないじゃん」

そう呟いて、本のバーコードをピ、と読み込む。

そう、あの人、帰りました。

すっぽかしました。

いや、私も忘れかけたことあるからそんなに強く言えないんだけども。

「はあ・・・」

左手に積みあがった本の山を見てため息をつく。

1人ってこんなに寂しいものだっただろうか。

1人にはかなり慣れていたはずなのに、誰かが隣にいる感覚を覚えてしまうと、その慣れはあっという間に崩れ去る。

なんてことを考えながら山の頂上に手を添えた時、図書室の扉が開く音がした。

「あれ、樹は？」

「・・・こっちのセリフですどうにかしてください」

そこには、森本先輩が立っていた。

「・・・もしかして、サボり？」

にやにやしながらカウンターに手をつく。

やりづらいからやめてほしいんだけれども。

「そこに手を置かないでください、やりづらい事極まりないです」

「あーごめんごめん、で、樹は？」

「サボりっていうよりも、忘れてるんじゃないですか。あの人今テストのことで頭いっぱいだから」

カウンターの近くの席に座りかけた森本先輩が、動きを止める。

「・・・あの？」

「・・・あの、樹が？テストを？何かを忘れるくらいに？」

「えっと、まあ、」

「嘘だ！！！」

うるさっ！！

思わず耳をふさぐ。