はぐれものどうし。２ (ページ2)

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それから、本当にいろいろな話をした。

まあ、ほとんど樹先輩が話題提供していたのだけれど。

勉強で分かんないとこない？とか、部活どう？とか、慎太郎体調大丈夫なの？とかなんとか。

「じゃあ俺ら、そろそろ帰ろう」

そう言って森本先輩がベンチから立ち上がった。

「え、もう？」

「うん。だって、Aちゃんさ、せっかく絵に集中したいのに、邪魔で邪魔で仕方ないでしょ、俺ら」

「え、や、まあ、少しは」

「いやいやいや、そこはさ、否定しようぜ？」

「Aちゃんもこう言ってるしさ、帰ろうよ。もう日も落ちるよ」

森本先輩が樹先輩に手を差し伸べる。

「えー、まあいいけどさあ」

樹先輩がその手を取る。

・・・うわあ、なんか絵になるの癪だな。

イケメン同士がこういうことすると、なんか、ねえ。

「じゃあね、Aちゃん」

「また明日・・・は休みか、また来週」

「はい、また」

二人並んで裏庭から去っていった。

結構楽しく話せたような気がする。

人の話を聞くのってこんなに楽しかったっけ。

そう思いながら、キャンパスに目を向けた。

話ながらもほとんど完成していたけど、何かが物足りないと思っていた。

「・・・あ」

パレットに黒い絵の具を少し出して、小さい筆に付ける。

木の下の地面に、二人の人影を足す。

この二人が誰か。

それは、私にも分からない。