第15話:妖怪が人間に・・・ ページ17
土蜘蛛
「・・・」
A
「土蜘蛛?」
土蜘蛛の様子が可笑しかった。じっと私のことを見つめたまま微動だにしないのだ。
A
「ど、どうしたの・・・?体調でも優れない?」
すると、何も言わないまま優しく抱きしめられる。どうしたものかとあたふたしていたら、震えているのが伝わってきた。
土蜘蛛
「妖怪と人間が、簡単に結ばれてはいけないことくらい分かっておる・・・。なのに、吾輩はとうの昔からお主のこと好いてしまった・・・」
A
「土蜘蛛・・・」
土蜘蛛
「笑うであろう。妖怪が人間に恋するなど・・・」
大将と言われる土蜘蛛の意外な姿に、ただ驚くしかなかった。何故、土蜘蛛が私のことを好きなってしまったのかは分からず、本来であれば笑わずにはいられなかったかもしれない。しかし、今は・・・
A
「・・・笑わないよ。むしろ、
土蜘蛛
「A・・・」
顔をあげた彼の金色の目と合った途端、急に恥ずかしくなり、化粧で着物が汚れないよう土蜘蛛の胸に顔をあてる。
A
「私、貴方のことが知りたくなってきた」
土蜘蛛には聞こえないよう静かに呟く。
2人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ツツジ | 作成日時:2022年8月11日 13時