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もしもし… ページ32

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『……も、もしもし。えっと……』


中原「悪い、今大丈夫か?」






『あ……、うん。』


一瞬、断ろう……そう思ったのに

つい、口が滑った







中原「………」



沈黙……

嫌な空気が流れる…





なにか話さなきゃ……

そう思うのに、何も出てこなくて……






気まずさだけが

私の心をキリキリと傷つける







中也「……あのさ、」


さきに切り出したのは、中原くんで








正直、なんで電話が来たのかもわからない私は

少しホッとした









『うん…、なに?』










中也「今日……なんで泣いてたんだ……?」





え……?


なんで、そんなこと……







『え……?あー……ちょっと悲しいことがあって……』



言葉を濁した。

これ以上、追求しないでほしい

そう思いながら……










中也「……そっか。」




中原くんは少し納得してなさそうな声で、

そう呟いた









『ところで……要件は、委員会のことでいいのかな…?
今、説明してもいい?』




中也「いや、用はもう終わった。
委員会のことは、また今度直接教えてくれ」









……もう終わったって、どうゆうことだろう。


わたしが、泣いてた理由が気になってただけって……事?









中原くんは……ほんと、優しい人なんだな。








でも、その優しさが恋する乙女には

ちょっと辛いんだけどね








それにしても……










『直接って……』


中也「……明日の放課後、時間取れるか?」









『………え、……取れません』



中也「あぁ?無理してでも作れ」






……ふはっ。何それ、横暴すぎるじゃん。









『……ふふっ、しょうがないな。
ワガママなお兄さんのために、がんばって時間作ります』



中也「それで良い。じゃあ、またあとで連絡する」



『え?』










中也「今、バイトの休憩中なんだよ。」


『……そうなんだ〜。』







中也「じゃあな。」


『うん。バイトがんばってね』


中也「おう」











ピッと小さな音を立てて

私と中原くんを繋ぐ糸が切れた










"また、あとで連絡する"



用事は終わったはずなのに











どうしてこんなに期待させるんだろう……















でも、さっきよりも少しだけ

気持ちが明るくなっている自分に

単純だな、なんて苦笑いが溢れた











.

日常がこんなに愛おしいなんて→←ため息ばっかり



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リムル=テンペスト - 体調崩さないように気をつけて下さい (3月25日 2時) (レス) id: 93fa3720ae (このIDを非表示/違反報告)
リムル=テンペスト - とても良い作品ですね  あ、ハートは押しときました (3月7日 21時) (レス) @page29 id: 93fa3720ae (このIDを非表示/違反報告)
甘色様(プロフ) - 琉菜さん» まってますー! (1月31日 20時) (レス) id: 236baa30bf (このIDを非表示/違反報告)
琉菜(プロフ) - 甘色様さん» 実は結構進んでいるので、だいぶ先になってしまいそうですが……。笑 (1月31日 19時) (レス) id: 5d79ee455b (このIDを非表示/違反報告)
甘色様(プロフ) - 琉菜さん» えっ・・・うれしい・・・! (1月31日 16時) (レス) id: 236baa30bf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:琉菜 | 作者ホームページ:ない  
作成日時:2024年1月26日 17時

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