隣のクラスの中原くん【文スト】

出会い ページ1

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クラス替えからしばらくが経った5月のこと。



校庭の桜は、もう緑の葉桜に代わり

あたたかな空気が教室の窓から舞い込んでくる












窓際の席……最高……。




ちょうど私の席には

暖かい日差しが当たり、ゆっくりと目を閉じる










あぁ…。もうこのまま寝ちゃいたい…。







コクリ……コクリ……と

頭が上から下に落っこちる嫌な感覚で

パッと目を開けた










うわ……、いつのまにか寝てた……。








そのまま、視界は窓の外に向かう。










2階にあるこの教室からは少し遠いが

窓の外では、光に照らされ

キラキラと明るく輝く、茶髪の男の子が歩いていた












なぜか、そのクルクルとした茶髪から目が離せなくて

ただ歩いている彼の後ろ姿を見つめていた










見たこと無い子だな……

なんか佇まいがイケメンぽい。











こっち向け…！



念を送るわたしに、気づくはずもなく…


ただ通り過ぎていくだけだと思った。











その時、ブワッと大きな風が吹き

彼の帽子が宙を舞う










『あ……、帽子が……』






その瞬間、少し焦った彼が後ろを振り向いた






一瞬。

ほんとに一瞬だけ目が合った気がした









彼はすぐに帽子を拾い、

帽子についた土を払うと

またスタスタと歩いて行ってしまった














わたしは、というと

そんな彼の姿が忘れられず








少しの間、ぼーーっと彼の通っていった道を見つめていた


















……だれ、あのイケメン。超タイプ過ぎる…！！












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