9. ページ10
(深澤) side.
同僚達との飲み会後公園のブランコで一人ボーッとする
最近の仕事終わりは毎日このパターン
俺には愛おしい彼女がいる
彼女と一緒に居られるだけで幸せだ
でも、彼女はずっと前からの夢を叶えるために
最近、仕事を辞めて新しい職場で頑張ってる
だからか中々会えない日々が続く
毎日、会うのが普通だったから寂しい
俺は元々寂しがり屋
かっこ悪いから言葉には出さないし態度にもださない
でも、シーンとした家に一人で帰るのは寂しいから
こうやって毎日、誰かと飲んで少しでも人の気配を感じる家の近くの公園で時間を潰して帰る
俺、こんな弱々しいやつだったけ…
そんな時、ふっと優しい声がする
A こっこんばんは…
ちょっと不安そうな顔でこっちを見てる君
Aちゃん…
最近、彼女とよく目が合う
いや、正確にはよく見られてる
俺は勘はいいほうだとおもう
冗談っぽく惚れた？なんて聞いたら
顔を真っ赤にしておろおろしてる
きっと彼女は俺を気になってる
それに答える事はできないけど好かれるのは嬉しい事
だからたまに見かけたら話しかけてみたり
これも正直、寂しさを紛らわすためだった
彼女を見てると安心する
それはきっと彼女がピュアだから
俺の寂しさとか全部流してくれるから
今日もそうだ
寂しくて仕方なかった心が彼女と話してると楽になる
……この心地よさに溺れられたら
なんて馬鹿な考えが浮かぶ
そんな事、だめだって自分でも分かってるのに
(深澤) Aちゃんは好きな人とかいるの？
A へっ？あ…えっと
唐突に好きな人いるの？なんて賭けで聞いてみる
ほらやっぱり…
(深澤) 俺…の事気になる？
A えっ…と
確信に迫ると薄暗くても分かってしまうくらい
動揺した彼女
きっと顔、真っ赤だろうななんて
その空気と態度で分かってしまう
俺の事好きだわ
一回、踏みとどまった馬鹿な考えがまた蘇る
……溺れてもいいかな
(深澤) ね…Aちゃん
ふっと名前を呼ぶと恐る恐るこっちをみる彼女
薄暗い中目が合うと俯いた
ブランコを降りてそんな彼女に近づく
そして彼女の前にしゃがみ込んで顔を覗く
さらに俯く彼女の緊張してる表情でさらに確信する
そっと顔を近づけて一瞬だけ…
やわらかい唇に触れる
驚いた表情の彼女…そらそうだろう
でも、寂しさを流してくれる君に溺れたい欲はもう止められない
(深澤) 俺んち…くる？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 69人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：こむぎ | 作成日時：2020年7月14日 17時
