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(深澤) side.
普段、緊張なんてほぼしない
でも、今日は朝から落ち着かない
それは昨日の夜、やっと覚悟を決めたから
どうなるかは分からない。
でも、もう後には引き下がれない
かっこ悪いのは嫌だから何度もシュミレーションしたけどいざ本人を目の前にするとやっぱダメで
改めて俺、こんなドキドキするんだ
こんな好きだったんだ…なんて再確認する
本当は絶対に来てほしい
そう言いたかったのに俺の気持ちに反して
来たくなかったら来なくていいけど…
なんて素直じゃない事を言って結局言い逃げ
あー!もう、馬鹿か俺は
いざという時に自信をなくして逃げてしまう
…彼女は来てくれるだろうか?
こんなに時間が長く感じる夜は初めてだ
あの日と同じように公園のブランコに座って彼女を待つ
つい弱気になって俯く顔
こんなんじゃダメだと思ってふと顔をあげると
おろおろした彼女の姿…
どう声をかけようか迷ってたのだろう
(深澤) …お、お疲れ様…
かっこ悪いくらい緊張する
A …お疲れ様です
お互い気まずさから黙って俯いてしまう
言いたい事は一つしかないのに中々声が出ない
情けねーな、俺
(深澤) あのさ、今までの事ごめん。
中途半端な事して傷つけたよな
A いいですよ、もう終わった事だし…
なんて言うけど悲しそうな顔
ごめんな、俺がそんな顔させてるんだよな…
まだ、こんな俺でもAちゃんの事が好きだと
言う資格はあるのだろうか?
そしてAちゃんはまだ、俺の事を好きでいてくれるだろうか?
俺には答えは出せない
けど…もう逃げないと決めたから
もう一回、チャンスをください。
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作者名:こむぎ | 作成日時:2020年7月14日 17時