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夜11時…
宝石保管庫では怪盗オールジュエリーが、宝石に手を伸ばしていた。
「やっと手に入れた…。7色目の1つ…雷光剣。」
だが、すぐに怪盗は気づいた。
「…あなたが?オールジュエリー?」
「どうしたの?こんなところで?
あの当主の子供…と言うわけでもなさそうね。」
服もボロボロ、血色も悪い…。
「私を連れて行って。ここはもう嫌なの。吸血鬼の餌は辛いの。逃げられないってわかってる。それでも外の世界を見せて欲しい。
…どこに監視カメラがあってどこに罠があるかも知ってる。脱走するのも手伝う。
入り方がわかったからもう出る方法は教えなくてもいいと思うけど…。
お願いします…ここから出させてください。」
優しい怪盗は少女を連れてここから逃げた。
怪盗は森の奥にある自分の小屋へと案内した。
「ちょうど欲しいと思っていたんだ。
私の弟子を。私もいつ捕まってもおかしくない身。
もし私に何かあったときこの小屋そして私がもらってきたお宝すべて渡そう。
…そういえば名前を聞いていなかったな。名前は…?」
少女は一瞬戸惑った。
あの時父親と母親に言われたのが名前だろうが、名前を今まで言われたことがなかったから自分の名前だとはまだ思わなかったのだ。
だがおずおずと、言った。
自分の名前は紗奈だと。
「そうか、紗奈。明日からお前は私の家族だ。
苦しい思いはさせないように、紗奈を守る。」
怪盗はさらに身を守る術を教えた。
そして紗奈には魔力もあった。
みるみる上達していく魔法。
そして怪盗は月日が経つにつれ仲間も連れてきた。
最初は暗い顔をしていた紫姫。
落ち着きのなかった水穂。
いつまでも泣いていた真月。
3人とも仲良くなった。
そして他にも2人加わる
怪盗は全員平等に愛し、勉強自分の身を守る術を教えた。
紗奈は幸せだった。
だがそんな幸せは永遠には続かない。
ある日、怪盗は帰ってこなくなった。
そして死んだと言うニュースが流れた。
死体が見つかったらしい。
紗奈は決意した。
怪盗ができなかったことを自分が継ぐ。
怪盗の夢を叶えてみせる。そう決意した。
そして、世界中を飛び回った。
神武器を探すために。
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作者名:朧月 天音 | 作成日時:2020年12月8日 21時