7話 ページ9
俺は今、机を挟んで眼鏡をかけた大人と対面している
15歳で、中学３年生の俺は目の前の教師と
進路について、これからのことについてを話していた
教「我妻、お前は頭も個性もいい。
行きたい高校の希望がないのならば
俺は雄英高校を推薦するが、
お前はどう思ってるんだ？」
『俺は……』
俺は言葉に詰まった
確かに行きたい高校もない……かと言って雄英と言えば
�爛辧璽蹇鴫吻�
ヒーロー……
俺なんかがなんでもいいんだろうか…
そう考えているうちに教師が話し始めた
教「…実を言うのとな、雄英高校から推薦が来てるんだ」
『えっ……』
雄英から推薦……？
思考が停止する俺を他所に教師は話を続ける
教「まぁ、推薦が来るのも分からなくは無い
お前は勉強もできるし問題も起こしたこともない
真面目な生徒だ、何より……�犇�固性�瓩世靴福�」
�犇�固性��
あぁ……ここでも個性か……
何も守ることが出来ない俺が
俺の個性が……強固性か……
『もう少し……考えさせてください』
今、この状況では答えが出ないと思った俺は
一旦家で考えようと思い席を立った
個性に囚われているこの世界で、
強固性の持ち主が優遇されるのは全く自然な事だ
だが……俺は�狒悪瓩硫兇箸楼磴�
自ら人を救おうと思ったことは無い
自分の大事な人さえ守れたらそれで良かった
今ではその大切な人はただの1人もいないが
こんな考えを持っている俺がヒーロー……
普通科に入ればいいとも思ったが、
雄英にいれば何かと巻き込まれそうな気もする
帰路に着きながら俺はずっとそんなことを考えていた
だが……
……ﾁｭﾝ……
風に乗り聞こえてきたその声にその考えは吹き飛んだ
続く
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作者名：時雨 | 作成日時：2022年10月10日 15時
