雷の音 (ページ7)

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5話ページ7

個性が出て1年がたった

病院に行って以来じいちゃんと個性の訓練は続いた

じ「A〜！ブレーカーが落ちてしもうた！直してくれ！」

『はーい』

今日も天候が悪く雷の影響でブレーカーが落ちたみたいだった

いつもと変わらないはずなのに
何故か胸騒ぎがする

そんなことを考えながらキッチンの整理をしていると
醤油が切れていることに気がついた

(雨だけど、今日のご飯は醤油があった方が美味しいしなぁ)

『じいちゃん、醤油切れてたから俺買ってくるよ』

じ「だか雨だそ？危ないじゃないか」

『大丈夫だよ、何かあれば個性を使って逃げるし
知ってるだろ？俺が速いこと』

じ「うむ、、だが、」

『それに耳もいいんだし誰かついてきたりしてたらすぐわかるよ』

じ「わかった。気をつけて行ってくるんじゃぞ」

『うん。すぐ買ってくる』

傘をさして家を出る
俺の家は山の中にあるのでスーパーまでは15分程かかる
まぁ子供の足ではもう少しかかるけど

スーパーにつき醤油を買う
40分ぐらいしてようやく家についた
門の近くに行きドアに手をかけた

ドクン

心臓がなった

冷や汗が止まらない

鬼のように殺気に満ちた気配

過呼吸のような、今にも死んでしまいそうな

そんな呼吸音

ドクン、ドクン

心臓の音が耳に響く

急いで中に入ると

『っ…！…はっ…！』

血だらけで横たわるじいちゃん

『じいちゃん！！！』

じいちゃんの体を起こし生死を確かめる

『じいちゃん！じいちゃん！」

(じいちゃんを襲ったやつはおそらくもう居ない。
だけどこの傷じゃぁじいちゃんはもうっ！)

『くそっ！俺が家にいれば！じいちゃん！起きてくれ！
頼む！』

じ「はぁっ…A…良かった無事じゃったか…」

『じいちゃんっ…』

じ「わしはもう死ぬわ…」

『そんなこと言わないでくれっ！頼む…』

じ「自分の体のことは1番自分が理解しとるわい…バカタレ…」

じ「いいかよく聞け…A…わしは独り身で拾ったお前を育ててきた…ずっと独りだったわしに孫ができたようじゃった…」

『俺にとってじいちゃんは本当のじいちゃんだよっ…』

じ「そうか…嬉しいのぉ…なぁA…」

『なに…？』

じ「独り身のわしでも…金だけはあった…広い屋敷に…お前を充分育てて行けるほどの金」

「金はまだまだ残っとる…それで生きていけ…」

『じいちゃんっ…』

じ「A…頑張れ」

「」

『っ…！！』

俺は初めて声を上げて泣いた