嘘の愛、愛の嘘【まふまふ】 (ページ9)

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急いでドアまで行って、淡い期待を持ちながらガチャリとドアを開ける。

そこにいたのは、僕の知らない女の人で。

ちょっとがっかりしたけれど、すぐに我にかえる。

この人が、なんで僕の家に来たのかが分からない。

「あの…どちら様、ですか？」

僕が聞けば、その人は薄い笑みを浮かべて答えた。その笑みが、Aに少し似ていて、ドキリとする。

「…須坂A様から、お手紙が届いています。」

すっと彼女が僕の前に真っ白な便箋を差し出した。
そこには確かに君の字で“まふへ”と書いてあって。

「…っ、Aはどうしてるんですか…？」

きっとこの人は答えられないと分かっていても、

きっとこの人は困ってしまうと分かっていても、

それでも、聞かないと気が済まなかった。

「すみません、お答え出来かねます。」

ねぇ。
なんでそんなに悲しそうな顔をしてそんなことを言うの？

教えてよ…。