八百万家の天狗系執事さん (ページ19)

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Aside

「16…17…18……両脚重症の彼を除いて………

ほぼ全員無事か」

あの後、校長先生を含めた先生方が駆けつけた事で事なきを得た。

主犯格の死柄木弔については黒霧のワープゲートで逃げられてしまったらしい。

僕としてはお嬢様さえ無事なら何でもいいのだが。

「とりあえず、生徒らは教室へ戻ってもらおう。すぐ事情聴取ってわけにもいかんだろ」

その時、「あの…」と蛙水様が声を上げた。

蛙水「刑事さん、相澤先生は…」

「両腕粉砕骨折、顔面骨折……幸い脳系の損傷は見受けられません

ただ…眼窩底骨が粉々になってまして……

眼に何かしらの後遺症が残る可能性もあります」

「だそうだ…」

蛙水「ケロ……」

周りの空気が重くなり、心配の声が上がる。

本来なら、これ程の怪我で死んでいないだけ儲けものだ。

だか、個性上眼を駆使する相澤先生にはヒーローとして厳しい現実だろう。

「13号の方は背中から上腕にかけて裂傷が酷いが命に別状はなし

オールマイトも同じく命に別状なし」

オールマイト先生に関しては保健室で充分らしく、緑谷様も保健室で充分らしい。

校長「セキュリティの大幅強化が必要だね」

ﾐｯﾄﾞﾅｲﾄ「ワープなんて“個性”ただでさえものすごく希少なのに、よりにもよってヴィラン側にいるなんて…」

その後、僕達は教室で軽い話を聞き解散となった。

今日の出来事は僕達に良くも悪くも大きな影響を及ぼすことになるだろう。

翌日は臨時休校となった。

僕としてはいつも通り働くだけなのですが……

『＿＿＿＿との事です』

「分かったよ。報告ありがとう」

今は今日の事ついての報告をしている。

『……申し訳ありません。お嬢様を危険な目に合わせてしまいました……

私がもっと早く行動していれば……』

「どんな罰も受ける所存です」と深く頭を下げる。

「顔を上げておくれ」

ゆっくりと頭を上げる。

旦那様は優しく微笑んでいた。

「百から聞いたよ。“Aは自分のことを守ってくれた”と

大丈夫。Aは充分に役目を果たせているよ

それにね、ヒーローを目指すならいずれヴィランと対峙することになる

それが少し早かっただけだ

A、百のことをこれからも宜しく頼むよ」

『必ず、どんな事があろうとも百お嬢様をお守りしてみせます

この命尽きるまで』

胸に手を当て跪き、旦那様の目を見てしっかりと言葉にした。

私の一番の宝物……命に替えても守ってみせる