狼少女の廻廻奇譚弐【呪術廻戦】 (ページ19)

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Aside

今日もやっと訓練と任務を終えて部屋に戻ってきた。

といっても今回は早く終わったのでいつもよりゆっくり出来る。

床に大の字で寝転がる。

が、何故かソワソワして落ち着かない。

気を紛らわす為に呪具の手入れでもしようと立ち上がった時だった。

『い"っ！？』

突然右肩に激痛が走り、倒れてしまった。

もしやと思って例の指輪を見ると術式が発動されていた。

順平に何かあったのか！

『クッ…ソ……！』

何とか起き上がろうとするがピクリとも動かせない。

それほどに強い術式を受けたのだ。

僕が順平に渡したのは“対となる物に受けた呪力・術式を流す”術式が込められた指輪だった。

順平には流す方を、僕は流れたきたモノを受け取る方を。

どうする？！

僕はここから動けそうにない

順平が今何処にいるかも分からない

こういう時頼りになる五条先生は出張中だ

結局何も出来ないまま2度目の激痛に僕の意識は落ちていった。

浮上する意識の中ゆっくりと目を開けた。

『いっつ……』

体を起こすと頭がズキズキと痛み顔を歪ませる。

家入「起きたか」

『硝子さん……』

硝子さんは僕が起きたのを確認すると誰かへ電話をした。

家入「部屋で倒れて気を失ってたところを伏黒が運んできたんだ」

『恵が……』

あー、また迷惑かけちゃったなぁ……

家入「でだ、なんで“こんなモノ”を付けてたんだ？」

そう言って家入さんが取り出したのは既に壊れている僕の付けていた指輪だった。

やっぱりその話になるよな……

どう話すか迷っているとドアを開けて恵が部屋へ入ってきた。

伏黒「大神大丈夫か？」

『嗚呼』

家入「……はぁ、この事は五条には黙っといてやるよ」

『！ありがとうございます』

僕の言いたくない雰囲気を察したのか溜息をつきつつも家入さんはそう言ってくれた。

家入「伏黒部屋まで送ってやれ」

伏黒「はい」

長い廊下を恵と並びながら歩く。

伏黒「……大神、深くは聞かないが何かあったら俺でも釘崎でもいいから頼れ」

『……分かってるよ。大丈夫ちゃんと頼る』

「本当か？」とでも言いたげた目で見つめる恵に苦笑した。

大丈夫……本当に死にそうになったら頼るよ…