狼少女の廻廻奇譚弐【呪術廻戦】 (ページ18)

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Aside

あの後、部屋に戻ったが寝付けずにいた。

あんな話をしたのだ。

僕の中にはモヤモヤとした感情が渦巻いていた。

『……散歩にでも行くか』

気分転換にでもとこっそり夜の散歩に出かけることにした。

僕は高専内の森で一番高い木に登っていた。

そこでこの前硝子さんから貰った酒で月見酒をしていた。(※未成年飲酒は法律違反です)

今日は雲もなく、綺麗な満月が見えていた。

『綺麗だな……』

五条「それって告白？」

『はっ、』

突然聞こえた声にバッと勢いよく隣を見る。

そこにはいつもの目隠しではなくサングラスをした五条先生がいた。

『………なんでいるんですか』

五条「ん〜？可愛い生徒がこんな時間に出歩いてたら心配でしょー？」

『ここ高専内ですし……それに夜中に任務があることも珍しくないでしょう』

「何言ってんだ」と目を向けるが、五条先生はいつもの読めない笑みを浮かべるだけだった。

五条「で、さっきの誰に向けての告白なの？」

『いや、そもそも告白じゃないですから』

五条「悠仁か恵にじゃないの？」

『……悠仁は親友で、恵は友人ですよ』

少なくとも僕は二人をそういう目で見たことはない。

悠仁は背を預けられるほどの親友。

恵も友人だけどどちらかというと守るべき存在。

どちらにしろ、二人とも大切な存在には変わりない。

五条「ちぇー、つまんないなー」

『いや、知られねーよ』

口を尖らせる五条先生に少しイラつく。

それを取り払うように酒を煽った。

五条「こら！未成年がお酒なんて飲んじゃダメでしょ！」

『硝子さんはタバコも吸ってましたよね？それに僕強いですし』

「先生も飲みます？」と酒を掲げる。

五条「いや、僕下戸だがら」

「へー」と返しながらまた酒を飲む。

ふと、視線を感じて見上げると五条先生と目が合った。

その瞳は今見えている月よりもキレイな蒼だった。

五条「見惚れた？」

『そうですね』

ニヤニヤと笑う五条先生に素直に答える。

すると今度はポカンとした表情になった。

その顔に少し笑ってしまう。

『なあ五条先生、僕をアンタを殺せるくらいに強くしてくださいね……』

アンタは勝手に消えないで下さいよ

悠仁とあの人みたいに……

五条「言うねぇ…勿論だよA」

＿＿だって僕、最強だから

そう言って二人で笑い合った。