59 幼魚と逆罰─弐─ ページ14
Aside
順平と会ってから数日経った頃、一緒にいった映画館で事件があったと聞いた。
『〈順平、映画館で事件があったって聞いたけど大丈夫か?〉』
吉野「〈うん、僕は大丈夫だよ。Aは最近どう? 元気?〉」
『〈嗚呼、元気だよ。無事なら良かったよ
あ、一応言っとくけど絶対あの事件に関わるなよ順平〉』
吉野「〈え!? あ、う、うん。〉」
『〈どうした? 何かあったか?〉』
吉野「〈大丈夫。ちょっとコップ落としそうになっただけだよ〉」
『〈……とにかく絶対関わるなよ。じゃあまたな〉』
「また今度遊びに行こうぜ」と約束をして電話を切った。
少し様子のおかしかった順平のことを考えながら訓練に向かった。
吉野side
Aと今度遊ぶ約束をして電話を切った。
正直、Aが事件の事を話した時は心臓が止まるかと思った……
なぜなら_
真人「友達?」
吉野「はい」
真人「ふーん」
その主犯と一緒にいるからだ。
ここは人気のない水路。
真人さんはハンモックに寝転びながら本を読んでいる。
真人「じゃあ、話を戻すね
【特級仮想怨霊】そう呼ばれる呪霊がいる」
興味が無いというような返事をし、真人さんは話を戻した。
真人「呪霊は人間から漏出した呪力の集合体
実在しなくとも共通認識のある畏怖のイメージは強力な呪いとなって顕現しやすい」
吉野「共通認識のある畏怖のイメージ……
有名な妖怪や怪談ってことですか?」
真人「そっ、トイレの花子さんとか九尾の妖狐とか色々
呪術師はそれらを特級仮想怨霊として登録し警戒している
正体不明の強力な呪いもとりあえず仮想怨霊としてカテゴライズする辺り、それしか見えてないって感じだよね
でも人々が常に恐れているのはそんなお伽話じゃないどろう?」
吉野「……天才とか?」
僕の返答に真人さんは微笑んで体を起こした。
真人「君との会話はストレスがなくて助かるよ」
吉野「いや……そんな……」
褒められて少し照れてしまった。
真人「大地を、森を、海を、人々は恐れて続けてきた
それらに向けられた呪力は大き過ぎるが故に形を得る前に知恵をつけ、今まで潜めていたんだ
皆、誇らしい俺の仲間さ」
表情から真人さんが本当に仲間を誇らしく思っているのが伝わってくる。
それと同時に気になった。
吉野「真人さんは何の呪いなんですか?」
真人「【人間】
俺は人が人を憎み恐れた腹から生まれた呪いだよ」
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クロ民(プロフ) - こけしさん» ありがとうございます! (2021年10月8日 17時) (レス) id: 803aa7d309 (このIDを非表示/違反報告)
こけし - すごく面白いです!おーえんしてます (2021年10月8日 1時) (レス) id: a0017e625f (このIDを非表示/違反報告)
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