だから、好きだって言ってんじゃん【深澤辰哉】

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今思えばだけど、




その時から俺は急激にAに惹きこまれた気がする。







最初は顔可愛いなーくらいにしか思ってなかったのに、

クールそうに見えて結構ゲラだったり、

気遣い屋さんだったり

ボソッと放った一言がめっちゃおもしろかったり。




そんなところに惹かれた。






これを、恋だなんて思ってないけど



もしAがナベと付き合うことになったら…？







そう考えるとモヤモヤするから、

きっと友達以上の好意はある気がする。







…ん？ナベと付き合ったらモヤモヤする…？








元カノが男と仲良さそうにしてても何も気にならなくて、

そのせいで平手打ちまで食らったこともある俺なのに？笑







…参ったなぁ。








でも、康二と少し手を繋いでたのも、





めめと2人で保健室にいたのもモヤモヤした。





誰にでも貸してたカーディガンを、


もう誰にも貸したくなくなった。






Aが洗って返してくれたから。




そんなのもう誰にも貸せるわけないじゃん。




Aの柔軟剤の匂いがする、俺の…









「…俺ってキモいなあ」








ため息と一緒に、思わずそんな独り言が漏れる。


同時に、俺は握ってたシャーペンをテーブルに転がした。



目の前に広がる教科書とノート。


シーンとした図書室の空気感。




自主勉なんてらしくないことしてるから、

こんなことばっか考えちゃうんだな。きっと。







岩「… …何？今さら。ふっかは元々キモいよ」





隣にいた照が笑って、俺の顔を覗いてくる。





「…ひっど笑」



岩「うわ、阿部すげー睨んでる笑」





照が目をやる先を見ると、

本を選びに席を離れた阿部ちゃんが、俺らの方を振り返ってこちらを睨みつけてた。






「…こっわ笑」







俺と照は笑いながら、勉強するふりして目線を下ろした。





目「…ふっかさん、静かにしないとダメだよ笑」




向かいに座っていためめが、何故か俺だけを叱る




「はぁ？照も喋ってたし！笑」



ラ「ふっかさんはなんか存在がうるさいよね笑」


向「んははははっ！笑」


目「こーじ笑いすぎ…笑」



佐「お前らうるさいぞ？！！集中しろよ！！！」




岩「お前だよ1番うるさいの笑

　みんな舘さん見習えよ…」






照の言葉にみんなが舘さんを見る。




黙々と勉強をする… …フリをして、目を開けたまま眠る舘さんに皆思わず爆笑。笑





全員阿部ちゃんに怒られた。


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