君の彼氏になりたい。(4) (ページ10)

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スタジオの扉を乱暴に開いて戻ってきたAを見るなり、あべちゃんが駆け寄ってくる。

阿「もー！どこ行ってたのっ！」

「ちょっとそこまで！！」

佐「言い方となりのトトロのメイちゃんかよ笑」

阿「合わせでリハするから！早く〜っ」

「ふぁ〜い…」

2人にせかされてステージに上がるAの肩を、阿部ちゃんが「あ、ねえねえ！」とたたく。

そして、Aが振り返ったところで、
ほっぺにぷにっと人差し指をあてた。

「…なに、これ。笑」

阿「癒そうかなーって。ご乱心でしょ？笑」

「…わかる？」

阿「わかる、わかる。顔に出るもん、すぐ笑」

「ふふっ…でも今ので癒された、さすが姫！」

阿「姫はあなたでしょってば。笑」

楽しそうに笑って、ステージにかけたAの背を追いかけ、阿部ちゃんもステージに上がった。

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ひーくんの「お願いしまーす！」という言葉とともに流れたのは、『EVOLUTION』

立ち位置やカメラワークを確認できれば充分なので、みんなゆるーく踊っているが、それでも滲み出る10人のダンススキルの高さに、その場にいる全員が魅了された。

脱力したように軽く踊る姿が、
かえって色気を生んでいて。

そして…

サビ前で全員がそれぞれ突然顔を見合わせて微笑み、
サビからいきなり全力で踊り出した。

その緩急に、「え、これ本番？！」と思わずその場にいたみんなが驚いた表情をみせた。

「おお〜！」というスタッフの歓声もちらほら。

さっくんの「してやったぞ！」という笑顔、

ひーくんの気にせず踊り続ける姿、

それぞれの表情に個性が出ている。

…それをステージの端から見ていたBattlecryも
驚いた顔を見せた。

各々、「へえ…あいつらやるじゃん」「うわ、すげえ…」とひっそり本音を漏らす中、トーマはファンのように「すげー！すげー！！」と飛び跳ねて興奮していた。

ト「やっぱエグいなぁ…！ラウールの存在感圧倒的だし！ってか、宮舘くんの手先の丁寧さすげぇぇ！」

良いところを見て盗もうとするトーマは、10人それぞれに焦点を当てる。

…が、Aを見て息を呑んだ。

ト「… … … …うわ、えぐｯ… …」

そして、思わずそう呟いた。

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