君の彼氏になりたい。(4) (ページ37)

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そんなAの手を、ひーくんが勢いよく掴む。

岩「…おい、やめとけ」

「…！だって…」

深「…あいつ自身も、きっと自分の行動が正しくないことくらい気づいてんじゃない？」

阿「うん…きっと、リューキくんもリューキくんで傷ついてるんだと思う。傷の治し方わからないだけなんじゃないのかな…」

「…傷ついてる…？」

佐「んまっ、Aの気持ちも分かるけどなぁ！笑

…これは見守っててあげよ？」

「…う、ん」

みんなの言葉に、Aはぐっと気持ちを飲み込んだ。

向「そやそや！！それに俺ももう1発は守ってあげられへんからな？！もうほっぺ限界やから！笑」

ラ「さっきと逆のほっぺがあるじゃん！大丈夫だよ！」

目「…お前鬼だな笑」

向「しょっぴー！ラウールがひどいいいい！」

渡「りょうた、あの、ありがと」

宮「何回お礼言うの(笑)お安い御用だってば」

向「A〜！！みんな俺の扱いひどいい！！」

わちゃわちゃ会話を繰り広げる9人の姿に、Aは気づいたらクスクス笑っていた。

「あははっ、もう〜笑」

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リ(俺には、いつも何もない。

なのに…

ファンまでいなくなったら、いよいよ俺は…)

自分で倒した機材をせっせと治してくれるスタッフを見つめながら、申し訳なさで心が痛んだ。

どうにも、カッとなると体が動いてしまう。

本当にダメダメな自分の悪い癖だ。

周りを怒鳴り、手を出し、

気づいたらいつも近くには誰もいなかった。

そんな弱い自分が、Aを守るなんて到底できない。

いまはあの9人がAを守っているんだから。

リ(…俺って…なんでここに立ってるんだろう…)

放心したように、ただマイクを握りしめ立ち尽くす。

ト「なあなあ、」

そんなリューキの顔を覗き込み、トーマは微笑んだ。

ト「お前って、一人じゃないんだよ」

トーマは笑うと、
「な？」と他のメンバーに目を移す。

「おう！」
「お前の暴れグセなんかもう慣れたわ笑」
「後でちゃんとスタッフさんに謝っとけ！笑」

そう口々に声を上げて、メンバーはみんな笑った。

ト「お前、前だけ見過ぎ！ちゃんと背中に俺らがいるの見えてないんだろ？笑

や、前も見えてないか。こんなにファンがいるのに」

その一言に、リューキはゆっくりファンを見つめ、ポロポロ涙を流した

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