君の彼氏になりたい。(4) (ページ27)

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「… …ッ！」

瞬時に目をぎゅっと瞑る。

ーー痛々しい音が響いたはずなのに、頬は無感覚。

「… …？」

恐る恐る、Aは目を開けた。

「… …え？康二… …？」

Aの目の前には、リューキに平手打ちされて顔を背けた康二の背中があった。

渡「… ッ康二！！」

向「… …ッッ

イッター！！(泣) むっちゃ痛いんやけどぉッ！」

康二は叩かれた頬に手を添えて、今にも泣き出しそうな顔でAの方を振り返る。

向「ね！？おれ、ほっぺある？！取れてない？！」

「と？！と、取れてない、取れてない！けどっ！」

向「けど、何〜？！血出てる？！」

「で、で、出てない！けど！？けどっ！」

向「ならよかったぁ〜！あぁん！もう！めっちゃ痛い！」

ポロポロ涙を流す康二を、Aはオロオロした表情で慰める。

渡「… … ッ、どけよ！」

ト「わっ！」

しょっぴーはトーマを振り払うと、リューキの元へズンズン歩み寄った。

そして、リューキの胸ぐらを思い切り掴む。

リ「… … ッ」

渡「…なぁ、お前マジなんなの？」

向「しょっぴー！俺はヘーキやから…ッ！」

渡「康二のこと叩いて…つーかそもそもAのこと叩こうとして…男がやることかよ？それ」

リ「 … … ッ」

リューキは、グッと歯をくいしばって顔を背けた。

渡「マジ許さねー… 目瞑れよ」

しょっぴーが右手で拳を作ると、康二がそれに勢いよく飛びついた。

渡「っ？！康二ッ、離せっ！」

向「あかんあかん！それはだめっ！」

渡「は？！お前のこと叩いたんだぞこいつ！！」

向「ッ、お客さん！！いっぱい来てくれてんで？！」

渡「 … …！」

向「ッもちろん、みんながみんな俺らのファンやないけど…！リューキくんたちの出番を待ってくれてる人たちもおる…！！」

リ「 …！ …俺、らの… 」

向「せっかく、来てくれてんのに…。俺らのアクシデントで悲しい思いさせたないやん…。

本番後にちゃんと仲良く話せばええやん…？

今は、目の前のお客さん幸せにしよ…」

ポロポロ涙をこぼしながら一生懸命繋ぐ康二の言葉は、しょっぴーとリューキの胸に痛く響いた。

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