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女「…?!ちょっと、どうしたの?!大丈夫?!」
たまたま通りがかった女の人に、
医務室に運んでもらったことはかろうじて覚えている。
… … …凄く疲れた。
9時間を越えるダンスレッスンの後、
自分よりも体が大きい男3人に殴られて、
今までにないくらい感情を揺さぶられて。
体も精神も、ボロボロに疲れていた。
ーーだから、その時の自分が何を言ったのかは今でも明確に覚えていない。
…ただ、噂を聞きつけ、心配して家から医務室まで飛んできたAに、「お前なんかジャニーズ辞めちまえよ」と言ってしまったことだけは鮮明に覚えている。
「…え…?」
リ「…こっちくんなよ」
「…な、なんで」
リ「女がいていい場所じゃねーから」
その後も、
お前のせいで殴られた、とか
お前の教え方は下手だ、とか
1ミリも思ってないことを口走ってしまった気がする
そんなこと、思ったこともなかったのに。
ただの八つ当たりだった。
攻撃された分、誰かを攻撃しないと
自分が自分に戻れない気がしたから。
攻撃された自分が世界で一番惨めな気がしたから。
「…なんで? 友達、だと思ってた、のに…」
リ「…友達なわけないだろ、俺とお前が」
ただの友達なら、Aのためにあんなに怒らなかった。
こいつ何もわかってない。
心底ムカついた。
ーー分かってなかったのは自分の方なのに。
ぐすんぐすんと涙ぐむAに背中を向けて、
痛む体を起き上がらせる。
リ「…いいよ、お前が辞めないなら俺が辞めればいい話だから」
「なんでッ…!辞めるっていう選択肢しかないの…
もう一緒には頑張れないのッ…?」
リ「 … …なんかもう、お前といるの疲れた」
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ゆっくりゆっくりと医務室から遠ざかる。
Aの大きな泣き声が聞こえてくるけど、
追いかけてきてくれる訳ではなくて。
自分が何を言ったのか、
この数時間で何が起こったのか
思い出すのも考えるのも、全てが嫌になった。
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リ(今思えば…守ればよかった。離れずに、ずっと。
俺が守りたかった。
あいつらじゃなくて、俺が…。)
自分の未熟さと、不器用さに腹が立つ。
何年も経ってやっと会えたのに、素直になれない性格も。
全部に、イラついてばかり。
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sara - 昨日見つけてすぐ読みました!続きがめっちゃ気になるし、話も凄く面白いです!更新楽しみにしています! (2月11日 6時) (レス) @page40 id: f3e4c7f7c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なな | 作成日時:2022年7月6日 21時