君の彼氏になりたい。(4) (ページ15)

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事の発端は、もう何年も前のこと。

Aがジャニーズ事務所に入所したばかりの時。

「女がジャニーズ事務所に入った」と、世間は勿論、事務所内でも大騒ぎ。

ジャニーズ事務所を不合格になった男もゴロゴロといる世の中で、「どうして女が受かる？」という反発が起きた。

女からは、「なんであんな女が？」という嫉妬の嵐。

当時歓迎してくれる人の方が少なく、
むしろなんとかしてAを辞めさせようとしてくる魔の手の方が多かった。

当然誰も会話に混ぜてくれなかったし、
「女は向こうで練習してろ」とレッスンを分けられた。
嫌がらせもたくさん受けた。

辛かったが、周りが緩い友好関係を深めてる時間、ひたむきにタンスと歌に向き合ってきたAは、腐る事なく成長し続けていた。

リ「A」

…ある日のことだった。

1人で居残り練習をしていたAにリューキが声をかける

「…え？」

リ「…って、呼んでいい？もう、呼んじゃったけど」

「なにそれ！ふふっ…いいよっ！笑」

初めて誰かが話しかけてくれたことが、Aにとってはとにかく嬉しかった。

それをきっかけに、リューキとはよく話すようになった。

ダンスが苦手で、いつも苦戦していたリューキにAがダンスを教えてあげていた。

リ「いつまでもお前に教わってるのダサいよなぁ…絶対お前より上手くなってみせるから！」

負けず嫌いのリューキが、いつも涙を目に溜めながら練習をしている姿に、Aは惹かれていた。

「うん、待ってる！」

リ「余裕だよ、お前を越えるのなんか！」

「越えてから言え！」

リ「？！う、うるせえ！笑」

リューキがAの頭をわしゃわしゃ撫で回し、やめてよ！とAが大きく笑う。

微笑ましい、幸せそうな光景

…そんな2人の姿を、一部の人間が馬鹿にしていた。

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男「リューキ、お前ってダサいよなぁ」

とある日、帰ろうと荷物を整理していたリューキを、
高学年の男3人が取り囲んだ。

リ「…は？」

男「女に教わって、ダサいじゃんｗ」

男「好きなんだろ？あいつのこと」

男「好きなの？笑それなら無理やり関わろうとする気持ちもわかるわ〜」

ゲラゲラと嫌な笑いをして見下ろしてくる3人の男を、リューキは睨んだ。

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