君の彼氏になりたい。(4) (ページ14)

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リューキがこちらを指差してくる。

リ『手に入れるいつか必ず

つまらない塔から救い出し

笑顔取り戻してみせるから』

そして、甘い歌声を響かせたあと、Aに向かってウインクをした。

渡「 ( 救い出す？Aが今俺らと一緒にいることが苦痛みたいな言い方しやがって…) 」

しょっぴーを筆頭に、9人が何かを感じ取って顔を険しくする中、Aは大笑いして隣に立っているしょっぴーの肩を叩いた。

渡「？！は？！何、痛いんだけど？！」

「しょっぴーファンサ貰ってんじゃん！よかったね、つまんない塔から救ってくれるって！」

あははっと嬉しそうに笑うAの姿に、
9人はキョトンとした表情を浮かべる。

渡「は…？いや、絶対今の俺へのファンサじゃないでしょ」

「えー？だってこっちみてウインクしてたよ？」

渡「お前にしたんじゃないの？」

「えーないない！あの人私のこと嫌いだもん！」

一見寂しく聞こえることを大笑いしながらAがいうので、みんな一層キョトンとする。

ただ、次第にみんながブハッと吹き笑いをこぼした。

岩「あいつもとことん苦労してんだなぁ…笑」

「？あいつ？」

岩「…ね、俺のダンスってなんなんだっけ？」

「？ひーくんのダンスは世界一！」

岩「あはっ…

ごちゃごちゃ考えてたって、Aのその一言だけで充分だよなぁ〜…」

そう呟いたあとひーくんはくしゃっと笑って、ぽんぽんとAの頭を撫でた。

「え？なになに？どういうこと？」

目「ほら、そろそろ楽屋戻ろ」

阿「アイスでも食べよ〜！」

「！食べる！」

岩「食べる」

佐「ささっ、俺らの塔に戻ろ〜！♪」

深「ばかっ！お前っ…ぶっふふｗｗそれじゃあいつらのこと煽ってるみたいだろ！笑」

佐「にゃははっ！笑」

向「ラプンツェル意識して作詞したんかなぁ？意外と乙女なんやなぁ、リューキくんって！」

ラ「あ、塔ってそういうことかぁ〜。…なんか回りくどいねえ」

宮「ま、俺たちには刺さらない歌詞だよね」

渡「？珍しく辛辣じゃん？笑」

宮「…当たり前でしょ、あんな嫌味な歌詞」

渡「 …ま、確かに」

そう無邪気に笑いながら楽屋に戻っていく10人。
もちろん10人の話し声がリューキの耳に届くことはないのだが、リューキは何故か煽られた気になり、ダンッとステージを蹴った。

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