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第57話 ページ9





部活が始まる2時間前に弓道場に来て、1人で
遅気の対策をしていた。



貴「親指を反る、弽が引っ張られるように…」



独り言を言いながら弓を引いていると、入口の
方から物音が聞こえてきた。

みんなに早いと言われる時間に来るいつもの
私達よりも早く来たのに、と不思議に思う。



雅「お、誰かと思えばAか。早いな」

貴「おはようございます」

雅「おはよう」



健康的な日々を送るマサさんならこんな時間に
来るのも納得出来る。



雅「遅気(もたれ)の対策か?」

貴「はい」



弽を外してちょっと息抜きをする。



貴「あ、母に"お手伝い"のこと言ったらいいよ
って言ってくれました」

雅「おぉ、良かった」



来週の週末が楽しみで仕方ないです。



雅「そう言えば、Aのボディーガード達は
一緒じゃないのか?」

貴「ボディーガード…?」



何の比喩表現か分からなくて首をかしげる。

そんな私に"湊と静弥だ"と当たり前のように
言うマサさん。



雅「鈍感な姫さんだな」



"鈍感"という言葉が妙に耳に残る。

鈍感じゃなければ愁くんから告白されることを
もっと前から分かっていたかもしれない。



貴「鈍感じゃないです…、多分」



分かっていたら、きっと私は…

そう考えていると、またまた入口から物音が
してその先を考えることをやめてしまった。



海「マサさん!?」

雅「お、海斗に七緒も早いな」

七「あらー予想外」



この時間に2人が来るなんて思ってなかった。

今日はみんな早く来たがる日だったのかもしれ
ない、バッドタイミング。



七「ね、マサさん!
どっちが着替えるの早いか勝負しよっ」

雅「お、おお…?」



マサさんの背中はナナ君によって更衣室の方へ
押されていく、そのまま扉の向こうへ消えた2人



貴「海斗くんおはよう」

海「…はよ」



ちょっと素っ気ないけど挨拶を返してくれた。

着替えに行く様子もなく、私の隣で立ち続けて
いる海斗くん。



海「あのさ、これ…ありがとな」

貴「ん?」



渡されたのは綺麗な紙袋。

中身を見てみると、合宿の時に貸したタオルと
もう1つ、少し大きめの箱が入っていた。



貴「この箱…って、えっ」



箱の中身を尋ねようとするけど、もう目の前
には海斗くんはいなくて更衣室への扉がちょうど
閉まりきる。



貴「あ、なんかある」



紙袋を探り、二つに折られた紙を見てみると
そこには"ありがとう"の文字

その文字を見て、つい微笑んでしまった。

第58話(七緒side)→←第56話(海斗side)



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あわ(プロフ) - 大好きすぎる…… (6月9日 22時) (レス) id: a26e70e8e6 (このIDを非表示/違反報告)
紫飛(プロフ) - とても面白いです!いつでもいつでも最新待ってます!これからもがんばってくださいい! (2023年3月22日 20時) (レス) @page29 id: 69eb7321a2 (このIDを非表示/違反報告)
ポンズ - めちゃくちゃ面白いです!更新再開いつでも待ってますので、ごゆっくり〜 (2023年3月6日 1時) (レス) @page29 id: ce08b4ce76 (このIDを非表示/違反報告)
美姫(プロフ) - とても面白いです!続きがとても気になります!!更新楽しみにまってますね! (2021年9月18日 20時) (レス) id: ac5aee6225 (このIDを非表示/違反報告)
たばね(プロフ) - 面白いです!!更新再開されるのを待ってます^ ^ (2019年12月17日 21時) (レス) id: fdca24c34d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月花 | 作成日時:2018年12月24日 10時

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