【ツルネ】愛、鳴る。

第61話 ページ13

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昨日の雨はなんだったのか、空はすっかり晴れ
水たまりが地面を濡らす。



海｢お前ら人のこと言ってる場合かよ！｣

七｢人のこと言い始めたのはかっちゃんだろう？｣



何やら言い合いをしている男の子達。



貴｢ケンカ？｣

乃｢この前は仲良しでしたのに…｣



今日はなだめ役のセイがいないんからケンカは
ヒートアップしている。



ゆ｢男子って難しい｣

梨｢結局、鳴宮を欠いても竹早を欠いても
ダメなわけか｣



今日セイは、風邪で学校自体を休んでしまった
らしく連絡さえ入れてくれなかった。

もしかしたら本当にあの雨の中歩いて帰った
のかもしれない



海｢七緒、お前な！｣
七｢図星っしょ｣
遼｢ふ、2人ともケンカは…｣
海｢あぁ？｣



優しい、リョウ君はなだめ方が優しすぎて
海斗くんに負けている。



貴｢マサさん、男の子達を…｣



助けを求めようと声をかけるが、採点簿から
目を離さず上の空のご様子。



貴｢マサさーん。マサせんせー｣

雅｢あ…、あ？｣



呼び方次第で反応を示すようです。

"男の子達"とだけ言って、マサさんに今の
光景を見せる。



雅｢おっと…｣



マサさんの介入により、その場は治まった。

今から怒られますと言わんばかりに横一列に
なっている男の子達を見守る。



雅｢お前達、なんでそう同じかごに入れられた
カブトムシみたいに角つき合わせているんだよ｣



カブトムシ？ 角？



貴｢犬とイノシシ、的なこと？｣

乃｢イノシシ…？｣

梨｢それは猿｣



バカがバレてしまった。

ゆうなちゃんが隠れるように笑うので、仕返し
に二つ結びを三つ編みにしてあげた。



雅｢これはもう奥の手を出すしかないな…｣

梨｢なんですか？｣

雅｢前祭りの日に御札を配るんだ、それなりに
ご利益があるらしい。

みんなで取りに来るといい｣



みんなで来ちゃうの？ 私だけ巫女服になっちゃう。

その日は朝の5:00から神社に行って色々練習
したり、覚えたりしなきゃいけない。



雅｢1日限定でしか配らない、知る人ぞ知る
激レアな御札だぞ｣

七｢まじで？ 行くっ！｣

海｢お前が決めるのかよ…｣



激レアと聞いたら行きたくなるよね。



雅｢湊、静弥にも伝えてくれないか？｣

湊｢あ、うん。はい｣



昨日と同じ、暗い顔だ。



雅｢Aもよろしくな｣

貴｢あ、はい｣



マサさんの顔を見ていて適当に返事してしまった
けど、私明日朝早いじゃん。無理じゃん。

大量にメッセージに送りつけて置こう。

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