第60話 ページ12
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ミナに部活が終わったことを連絡して、
天気予報を見ると"降水率70％"の文字
今ごろチャリ漕いでいると思うから
見てないかもしれないけどね。
貴｢よいっしょ｣
セイが待っているかもしれない、と荷物を
持って急いで更衣室を出る。
日暮れはまだなのに、こんなに暗いのは少し
不気味だ
貴｢あ、マサさん｣
雅｢おぉ、Aか。まだいたのか｣
貴｢ミナに連絡入れてて…｣
扉を開けると、暗い弓道場で1人立っている
マサさん
電気がついてないせいか、表情も暗く見える。
雅｢静弥なら今さっき帰ったぞ、Aも早く
帰った方がいい｣
貴｢置いてかれた…｣
置いて帰るとは何事だ。
まだ追いつくかもしれないと、"お疲れ様でした"
を言って急いで弓道場を出る。
貴｢タオル、タオル｣
返すはずのマサさんのタオルを頭にかけ、
濡れるのを覚悟して大雨の中に飛び込む。
貴｢セイ…？｣
角を曲がるとすぐにセイの姿を捉えることが
出来た。
貴｢セイ、待って！｣
その姿は雨に濡れながらも、ゆっくりと歩く
悲しそうな背中だった。
いつも折りたたみ傘を持っているはずなのに
何をしているのだろう…
静｢…｣
雨音にかき消されて私の声が聞こえていない
みたいなので、もう一度大声で叫ぶ。
貴｢静弥！｣
かなり声を張ったから、絶対聞こえたはずなのに
反応すらなく、振り向いてもくれない
心臓がきゅ、と締め付けられショックで声を
かけるのも忘れてその場に立ち尽くす。
湊｢あれ、部活もう終わっちゃったんだ…｣
セイとの距離がだんだん遠くなるばかり
湊｢って2人共なんで傘さしてな、い…｣
ミナの声にさえ反応しないセイ。
そのままセイが隣を通り過ぎた瞬間、光は
しなかったが雷の音が鳴った。
湊｢静弥…？｣
だから雨は降って欲しくなかった、
雨はセイをかき乱すから。
湊｢とりあえず、屋根のあるところに行こう｣
貴｢うん｣
手を引かれ、雨宿り出来るところまで移動する。
雨で濡れた私の手には、ミナの手が暖かく
感じた。
湊｢静弥なんかあった？｣
貴｢ううん、何も｣
雨が降ったせいで、あの事故を思い出して
しまったのだろう。
だけど、今までこうなることはなかった。
湊｢どうしちゃったんだよ、静弥｣
悲しみと不安を表すように、より強くなって
いく雨。
セイに無視されることが、こんなに悲しくて
こんなに心臓が痛いことだと初めて知った。
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あわ(プロフ) - 大好きすぎる…… (6月9日 22時) (
レス) id: a26e70e8e6 (このIDを非表示/違反報告)
紫飛(プロフ) - とても面白いです！いつでもいつでも最新待ってます！これからもがんばってくださいい！ (2023年3月22日 20時) (レス) @page29 id: 69eb7321a2 (このIDを非表示/違反報告)
ポンズ - めちゃくちゃ面白いです！更新再開いつでも待ってますので、ごゆっくり〜 (2023年3月6日 1時) (レス) @page29 id: ce08b4ce76 (このIDを非表示/違反報告)
美姫(プロフ) - とても面白いです！続きがとても気になります！！更新楽しみにまってますね！ (2021年9月18日 20時) (レス) id: ac5aee6225 (このIDを非表示/違反報告)
たばね(プロフ) - 面白いです！！更新再開されるのを待ってます^ ^ (2019年12月17日 21時) (レス) id: fdca24c34d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月花 | 作成日時：2018年12月24日 10時
