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第54話(静弥side) ページ6





ずっと一緒にいれば、言葉を交わさなくても
分かってしまう。



貴「またねー」



振り返ることなく家に入っていくA

その背中を2人で見送っていると、湊が僕の
名前を呼ぶ。



湊「なぁ、静弥」

静「ん?」

湊「なんかA、変だよね?」



Aへの違和感を抱いていたのは、僕だけ
じゃなくて湊もらしい。



湊「よそよそしいというか、なんかこう…」



湊の言いたいことは分かる。

普段通りだけど、何かどこかだけがちょっと
違う感じがするんだ



静「告白だと思ったけど、昨日は風邪で休んで
たし、今日は一緒に部活に来たし」



そういうタイミングなんて無かったはず。



湊「そう、だよな…」



ただし個人予選の終わり、Aを連れて
出した愁なら…



「ワンっ」

湊「クマ!」



いや、今さら愁にAを渡すなんてそんなの…



愁「…──いい加減2人を追いかけるのはやめたら
どうだ。どの道これ以上はもう付いてこれない
だろうし」



3人で幼馴染みなのに、俺だけが湊達に付いて
いけなくなっていくのは分かってた。



湊「金曜日みんなで弓道について語るんだって。
楽しみだよ」

「ワンっ!」



遠い、2人との距離はこんなに近いのに今は
とても遠い。



湊「静弥、俺最近思うんだ」

静「ん?」



クマの頭を撫でながら、僕に話しかけてくる。



湊「俺、Aとはこのままが一番いいって」

静「え?」



湊の背中がいつもより小さく見える



湊「幼馴染みで友達以上恋人未満っていうのが
一番居心地がいいんだ。

もし、今の関係が崩れるなんて思ったら辛い」



僕も同じ考えだ。



静「けどもしAが誰かと付き合ったら僕達
は後悔することになるよ、ずっと」

湊「分かってる。
けど、Aが幸せなら…」



湊はそれ以上言葉を続けなかった。
"それでもいい"なんて言えるはずもないのだ。



静「Aの相手が愁だったらどうするの?」

湊「愁、か…」



基本ポーカーフェイスな愁だけど、Aと話し
ている時の彼を見れば、愁もAのことが好き
なんだというのにはすぐ気付けた。



湊「考えるだけでも結構辛いね」



勝ち目はないと焦りながらも、中学の頃から
今まで必死に対抗していた



「クゥーン」

湊「なんでクマが悲しそうにしてるんだよー」



それも、もう終わりを迎えているのかもしれない。

何があってもずっと好きでい続けるけど、
Aが決めたことなら僕は受け入れるよ。

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あわ(プロフ) - 大好きすぎる…… (6月9日 22時) (レス) id: a26e70e8e6 (このIDを非表示/違反報告)
紫飛(プロフ) - とても面白いです!いつでもいつでも最新待ってます!これからもがんばってくださいい! (2023年3月22日 20時) (レス) @page29 id: 69eb7321a2 (このIDを非表示/違反報告)
ポンズ - めちゃくちゃ面白いです!更新再開いつでも待ってますので、ごゆっくり〜 (2023年3月6日 1時) (レス) @page29 id: ce08b4ce76 (このIDを非表示/違反報告)
美姫(プロフ) - とても面白いです!続きがとても気になります!!更新楽しみにまってますね! (2021年9月18日 20時) (レス) id: ac5aee6225 (このIDを非表示/違反報告)
たばね(プロフ) - 面白いです!!更新再開されるのを待ってます^ ^ (2019年12月17日 21時) (レス) id: fdca24c34d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月花 | 作成日時:2018年12月24日 10時

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