198話 ページ18
見上げる敵槍…
悲しそうな…そんな瞳を私は見た。
腹部の横を斬る敵短刀も
泣いているように見えた…
いや、そう見えただけかも知れない…
『あぁ…悲しい、な…』
自分がこの世を去るかも知れない可能性に
この本丸を守れきれない可能性に
長谷部に会えなくなる可能性に
家族に会えなくなる可能性に
その全てが悲しかった…
『あ、れ…』
そう思った瞬間…
私は〈生〉を
視界が揺らぐ…
酒を飲んだかのように瞳が揺らぐ…
それでも…右手の機関銃を槍に突き立てた。
ガガガガッッ!!
{がァっ!?}
『悪いな…私は…まだ死ねない』
槍は砕けて消える。
脇腹を刺す短刀は慌てたように本体を引き抜く。
『さすがに…速い…』
でも、私が短刀を折れなくても問題は無かった…
声が聞こえたから…
「よぉ狙って…ばん!」
{グギィ…っ!?}
目の前で短刀が
視線だけ声の元に向けると、多くの刀剣男士が立っていた。
そのどの刀剣男士も…
“この本丸では見た事が無い”
『あ、ぁ…
その全ての刀剣男士が、元は折れていた刀剣男士だった。私が直した。私が元に〈再構築〉した刀達…
今の今まで
それが、私を助けた…私の目の前で顕現し、この場にいる…その事実を一瞬信じられなかった。
「そこか!…ひっく」
{ピギィっ!?}
「痛いですよ、ほら!」
{ギィッ!?}
「悪い、僕も結構
{グゥィッ!?}
小狐丸や堀川国広、不動行光が目の前で攻撃を繰り出す。それは
「君! 意識はあるかい?!」
『え…』
「石切丸! どうだい?
アタシ達の
「次郎太刀…あるけれど、どうやら私達が
「そりゃあ、元気って事がか?」
「ひっく…そういうこったろーよ」
総勢17振り…
折れたはずの刀剣男士が
さすがの私でも
起きなくては…動かなくては…戦わなくては…
出血する腹が痛い…お母様ならどうする?
お父様ならどうする?
『あぁ…そうか…』
私は思い付いた。
『燃やして…止血する…!』
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まんたんたん(プロフ) - 瑠璃さん» ありがとうございます! これからの更新はまばらになってしまうかと思いますが…それでも読んで頂けると幸いです。そして、私の体調の心配までっ...本当に感謝しますっ!! (2018年8月2日 7時) (レス) id: 23b58f0eac (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃 - お帰りなさい!!そしてお疲れたまです!また続きが再開して嬉しいです。最近暑い上変な天気なので熱中症など(そうゆう私は、軽い熱中症になりかけました...)体調に気をつけて更新頑張って下さい。 (2018年8月1日 7時) (レス) id: cd04157892 (このIDを非表示/違反報告)
まんたんたん(プロフ) - ミリアさん» コメント返しが大変遅れてすみません...っ! リク、ありがとうございます! より細かく書いて頂けたので、包帯くんの話で1章作れそうです! 本当にありがとうございます! (2018年7月26日 21時) (レス) id: 23b58f0eac (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - 包帯くんの祖父母、ホワイト本丸の蕃神者と山姥切が恋愛の末夫婦になるもブラック政府の何かが気に触って本丸解体に山姥切は、刀解に蕃神者は、現世に戻された。ブラック蕃神者と一緒に包帯くんの母父も罰を与えて包帯くんの希望で親子の縁を切ったただ祖父母は大好きに (2018年7月20日 16時) (レス) id: 673ec4ec31 (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - 父親、政府役人で包帯くんの母親とは、政略結婚でお金と権力が全てで息子の事は道具にしか思ってない。自分が世話になっているブラック蕃神者に本丸を浄化した上で自分に戻すように言われ包帯くんをそこに送りこんだ本人そして監視と指示を出すため包帯くん担当でもある (2018年7月20日 16時) (レス) id: 673ec4ec31 (このIDを非表示/違反報告)
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