20話 ページ22
〈焔の錬金術〉
それは、私の実父であるロイ·マスタングが得意とする錬金術だ。
火を自在に操る錬金術。
原理としては、燃焼の三要素である〈燃焼物〉・〈酸素〉・〈点火源〉を錬金術によって生成(用意)し炎を起こすというもの…
具体的には燃やしたい物を〈燃焼物〉とし、錬金術で〈酸素〉の濃度を調節。
そこに錬成陣の描かれた発火布(強い摩擦で火花を発する特殊な布)で作られた手袋で指を鳴らし、火花を起こして〈点火〉する。
『〈理解〉してしまえば
さて、火も釜も用意し、米も水も入れた。
あとは待つだけだな』
「炊けるまでに時間がありますね。どうされますか？」
『なら、探索を続けよう。
ここのようにボロボロな場所があれば直し、
刀剣男士と遭遇すれば、それもまた直す』
これから自分達が住む事になる建物だ。
錬金術を使った
『というか、こんなボロボロの建物に住みたくはない』
「ﾌｯ…正直ですね、俺の主は」
『
綺麗な方がいいだろう？』ｺﾃﾝ
「っ…そ、うですね…！！」
長谷部を見上げ、首を
長谷部は
「っ…俺の主が…可愛すぎる…っ！！」ﾎﾞｿｯ
『？…どうした？ 長谷部』
「い、いえっ！ なんでもありません！！」
絶対に何かあるだろう…と、私はじっとりと目を細める。
「んんっ………ひとまず、
『…まぁ、そうだな。移動しよう』
長谷部の言うことも
その場を離れた私達は再び廊下へと出た。
廊下自体もボロボロだ…ついでだし直しておこう。
バンっ！ バリッ！！
『よし。ここの廊下も直ったな』
「この様子だと、他全ての廊下もボロボロになっていそうですね…主」
『あぁ』
…さて、地図を見る限り、この本丸はかなり広大だ。その全てがここまでボロボロなら、全てを直すのにかなりの体力を使うぞ…
「主、必要であればいつでも俺を使ってください。貴女は1人では無いのですから」
長谷部の一言に私は肩の力が抜ける。
あぁ、本当に彼がいて良かった。
『ありがとう…お前が横にいるだけで私は安心できる…安心して進める』
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