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情けなく床に倒れ込んだテウォンはジュンさんの怒り溢れる顔に少し脅えているようにも見えた。
JN｢...行こう、Aちゃん。｣
｢あ、...｣
手を引かれてジュンさんについて行く。
【...Aのこと何も知らないくせに、調子乗りやがって。】
そう小さく聞こえた言葉を、ジュンさんは見逃さなかったようで。
JN｢言っておくけど、少なくともあんたよりかはAちゃんの気持ち、理解してるつもりだよ。｣
そう言い放って、今度こそ玄関から出ていった。
・
もう何回か乗ったジュンさんの車の中、
私たちを沈黙が包み込む。
そのまま何も会話がなく、ジュンさんの家にまで、ついに着いてしまった。
ピン、と糸のように張り詰めた空間の中で、いつもは感じない居心地の悪さを感じていたとき。
その沈黙を破ったのはジュンさんだった。
JN｢...なんで、会いに行ったの？｣
まっすぐ私を見つめる表情からあなたの感情が見えないから、一体私はどんな風に言葉を紡げばいいのか、わからない。
｢ごめん、なさい。｣
JN｢...別に俺は、謝って欲しい訳じゃない。｣
じゃあ、どうするのが正解なんだろうか。
自分より遥かに高い位置にあるジュンさんの目からの視線が私に突き刺さる。
…どうすればあなたに、そんなに苦しい顔をさせないで済むのか。
JN｢何もされてない？…変なことはされてないの？｣
正直に言うと、キスはされた、けど。
分からない。私がどうしたいのかも分からない。
｢...何も、されてません｣
下を向いて答えた。
だってこんなに優しい人の目を真っ直ぐ見て嘘をつくなんて、できるわけが無い。
JN｢...何されたの｣
｢..え、なんで｣
JN｢ねえ、俺には嘘なんかつかないでよっ、｣
私の両肩を掴んで、珍しく余裕のなさそうなジュンさんに驚きを隠せない。
それと同時に向き合えば向き合うほど、欲しかったあなたの温もりが身に染みて心が痛い。
｢...やり直そうって、キスを..、されました｣
JN｢...うん｣
｢それから...服を脱がされそうになって、止めたんです。｣
どうして、キスなんかさせてしまったんだろう。
あの時は多分まだ迷いがあったと思う
悔やんでも悔やみきれないから、泣くしかないんだよ私は。
｢わかってた、真面目な気持ちじゃなかったことなんて、本当は最初から分かりきってたっ…のにっ、！｣
そう、分かりきってた
わかってて、私はまだ信じたいと思ってしまった
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作者名：なじゅん^._.^ | 作成日時：2023年3月17日 15時
