海に来たら ページ35
「すいません、こんなに頂いて…」
JN「大丈夫だって、ご飯も作ってもらってるし」
とは言っても、私は居候の身なので……
そう言えばまたネガティブ発言で怒られてしまいそうなので、ぐっと飲み込む。
JN「あ、ベットは明日届くようになってるからね」
「ありがとうございます…！」
もう目の前で運転してるジュンさんが神に見える。
気づけば車の窓は赤い夕焼けに染っていて、隣のジュンさんの瞳がキラキラ輝いている
海岸沿いの道だから海も見えて、息を飲むほど綺麗
「わぁ、海すごく綺麗…」
JN「行ってみる？」
「どこにですか、？」
JN「海だよ笑」
いきなりそんなことを言い出したジュンさんは、車を海へ颯爽と走らせた
「やっばいですね、綺麗すぎます…」
JN「海ってさ、心が休まるんだよね」
浜辺をジュンさんと歩く
涼しい風が、通り抜けていく
JN「少し休んでいこう」
そう言ってジュンさんは浜辺に座るから、私も隣に腰を下ろす。
「運転疲れましたよね、本当ありがとうございます」
JN「ううん。そうじゃなくてね、ただ、」
少し言うのを躊躇ったあと、遠くの海を見つめながらぽつりと囁くジュンさん。
JN「少し、眠れそうな気がしたから」
そう言って私の肩に頭を置いたから、少し戸惑ってしまう
「あ、あの、」
JN「おねがい、少しこのままで。」
「…はい、ごゆっくり…？」
JN「はは、なにそれ笑」
二人肩を並べて海を見つめていると、綺麗な海に夢見心地になってしまう
「…この短期間なんですが、ジュンさんのお仕事をたまに見てたんです。」
JN「ん、そうだったの？」
「はい、すごいなって思いました。
お客様への対応とか、トラブルへの臨機応変な対応とか、私も見習うべきだなって。」
そう言えば、ジュンさんは目をつぶったまま微笑む
JN「俺はさ、そんなすごい人じゃないんだよ。
…本当は、毎日不安で押しつぶされそうなんだ」
「不安で、？」
JN「そう。父さんを立派に継げるのかなぁとか、期待に応えられなかったらどうしようとかね。
多分、眠れないのもそのせいなんだよ」
驚いた。
正直、ジュンさんがそこまで悩んでいるなんて考えもしなかった
だけど、ジュンさんの境遇を思えばそれはそうだろうなと納得する。
「…ジュンさんは凄いですよ。凄いから、皆さんからの期待値も高い分、それが重みになってしまうのかもしれないですよね。
私だったら、そんな期待振り払っちゃいますよ。笑」
ジュンさんは目を開けて、興味深そうに私に聞き返した。
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作者名：なじゅん^._.^ | 作成日時：2023年3月17日 15時
