心配だから ページ33
JN「最初は服屋さんだよ！」
「え、あの、良いのに…仕事に行く服さえあれば私は全然。それに何着ても私、あんま似合わないと思うし…」
JN「…Aちゃん、ネガティブ発言これから禁止ね！」
「え、あ、すいません」
JN「それも！謝るのも禁止！」
「え、、は、はい！」
ジュンさんが走らせる車の窓から外を眺める。
今日は快晴だ。雲ひとつ無い空がすごく綺麗
「わ、、なんと…」
今、私は空いた口を塞ぐことが出来ずにいる。
ジュンさんが連れてきてくれた服屋さんというのは、普段の私とは無縁な高級アパレルショップ。
入った時はまずその店のオシャレさ、品の良さに驚いたが今は目に映る値段の札の数字に驚いているところだ。
【普段着でしたらこちらの物などがよくお似合いですよ】
すごく綺麗な女性の店員さんが持ってきてくれたのはくすみブルーのワンピース。
ヒラヒラとした素材で膝から下部分が透けて見えるデザインで、これからの梅雨の時期にぴったりだ。
「わあ、」
JN「着てみなよ、絶対似合うから。」
ジュンさんに試着するよう言われたので、広い試着室で着替えてみる。
鏡に映る私はなんて言うか、今まで見てきた自分と少し違う感じで、なんだか恥ずかしい。
「あの、着替えました」
カーテンを開けて目の前に座っていたジュンさんにそう伝えると、ジュンさんは私の頭からつま先までじーっと見つめる。
ジュンさんは立ち上がって私に近づくと、肩に手を置いてくるっと私を回転させて鏡を見る。
JN「ほら、言ったじゃん。絶対似合うって」
ジュンさんにそう言われると、本当にそう思えてくるから不思議。
私でも、こんなに素敵な服が似合うんだなって、少しだけ自信がついた気がした。
JN「すいません、これお願いします。あとこれと、そこの3着も。」
「え、あの、ジュンさんっ、私今日そんなに手持ちがなくて…」
いつの間に選んでいたのか、ポンポンと値段も見ずに買っていくジュンさんを見て焦った。
JN「俺が買いたくて買ったんだから、お金なんて出さなくていいよ。今日は黙って俺に払わせて。
あ、カードでお願いします」
かしこまりました、と店員さんは素早くお会計を済ませて綺麗な袋に綺麗な服たちをつめてくれた。
「でも、ジュンさん…」
JN「でも禁止！」
「は、はい」
今日はいろんな言葉を禁止にされるみたいだ。
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作者名：なじゅん^._.^ | 作成日時：2023年3月17日 15時
