Tシャツ ページ16
しかし、この家は広すぎる。
さっき来た道を戻っていると途中で明かりがついている一際大きそうな部屋を見つけた。
もしかしたらジュンさんがいるかもしれないと思って覗いてみると、案の定ソファに座りスマホをいじるジュンさんが。
あ、ここリビングなんだ。なんて思いながら歩こうとする足を止める。
私、この格好で目の前に行けないんだけど！？
いくらワンピースみたいって言っても丈は太ももくらいで短いし、Tシャツの下に下着なんて耐えられない。
頑張れ、頑張れA…！
「あ、あの、お風呂空きました、」
ああ、ヒヨっちまったぜ
壁から頭だけ出して話しかけるとは。落ちたもんだな私も。←
声をかけるとジュンさんは振り向いて "ありがとう” と笑顔を向ける。
不覚にも見惚れているとジュンさんは立ち上がって
JN「どうしたの、入りなよ 笑」
と一言。
私今確信しました。
この人、絶対わかってる。
Tシャツ1枚にしたのも意図的だ、この人。
面白がっているようにしか見えない…！
年下をいじめてそんなに楽しいか文俊辉！！
「いや、あの」
JN「ほら、ずっとそこに居ないで来なって」
悪魔のような笑みで微笑みながら私のほうへ一歩ずつ近づく。
自分でもすごく顔が熱くなっているのがわかる。
「いやっ、あの私今格好がすごい、その」
JN「大丈夫だよ。ほらおいで」
何が大丈夫なんだよ！そう思った瞬間手を引かれてジュンさんの前に出されてしまった。
JN「…」
「恥ずかしいからっ…あんまり、虐めないでくださいっ、！」
あまりの羞恥心に涙目になってることが自分でもわかる。
そんな私を前にジュンさんは黙り込んで目を見開いている
そんな酷かった？この姿。
もっと若い子の方が良かった系か？？
いやでも一応一個下だし。
そんなくだらないこと考えてるとさっきまで私の手を掴んでいた手が今度は肩に置かれた。
いや近くて草。
無理、この顔面がこの近さにあるの。
で何でこの人は黙ってるの？？怖いんだけど…
待って、今気づいたんだけど私どすっぴんやん。
え、最悪なんだけど、もう耐えられんなこれ
「あの…ジュンさん？」
JN「……あ、ごめん」
肩から離れる手。
なんか、なんだろ、この気持ち。
少し、寂しく感じちゃった。
JN「やっぱりサイズ凄い違うね、かわいいよ」
「でも、下の服欲しいです、」
もう可愛いの手には乗らないぞ。
JN「んー、俺はこのままがいい」
「もう、好みの問題ですか…！」
いつもの調子に戻ったジュンさん。
ほんと、さっきのなんだったんだ。
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作者名：なじゅん^._.^ | 作成日時：2023年3月17日 15時
