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☆
＿＿＿＿＿＿小さな違和感は、積み重ねるにつれて大きくなる。
最初の違和感は、白鳥沢の女子バレーボール部が県内優勝をおさめたところからだった。同じく宮城県内で強豪の新山女子を倒し、見事インターハイ出場を決めた去年。
そこで大きく名を轟かせたのは、「一ノ瀬玲奈」という人物だった。
圧倒的なセンスと観察力。正直、彼女がいたからインターハイに出場できたのだろうと言っても過言ではないほどであった。男バレで言う、牛島と言ったところだろうか。
彼女と同年代の白布は、彼女の名前を聞いたことがなかった。最初こそは「別のクラスなんだろう」と思っていたが、決定的な違和感に気づいたのは二年にあがってすぐのこと。
今年の春。クラス発表で張り出されていた紙を見ていた白布は驚いた。名前がなかったのだ。一ノ瀬玲奈という名前が、どこにも。
さらに言えば、彼女はバレー部ではなかったことを知った。その時はヘルパーで入っていた子だと。転校した、という話は耳に挟んだがどうにも信じられなかった。
＿＿＿＿＿だが、そんな彼女が目の前に現れた。
一見すると、短めの髪とその明るい表情が印象的だった。だが、そこで既視感を感じたのだ。
「・・・・なあ、太一」
「ん？どったの」
「なんか、青城のマネージャー・・・・南海に似てない？」
「・・・・・いや、違うでしょ。なんで？」
「なんかふとした瞬間が。あと、白鳥沢から距離置こうとしてんのバレバレ。青城ともグルっぽいし」
白鳥沢も、一ノ瀬玲奈の存在を無視するはずなく、話しかける人も多かった。だが、「マネージャーの手伝いがあるから」と彼女はすぐに去って行く。さらに、話しかけようとすれば青城の誰かしらが「今は忙しいみたいだから」とガードしに来る。
知り合いの赤葦にそれを言ってみたところ、真顔で「さあ」なんて抜かしてた。絶対あの反応は何か知ってる。・・・・あと、一番疑問なのが音駒の主将だ。
こちらと玲奈を気にするように見ながら、なんかずっと複雑な顔をしている。
＿＿＿＿＿＿つまり、彼女に白鳥沢が近づいたら不都合なことがあるということだ。
「なあ」
『うわあっ！え、あ、ごめんね！ちょっと及川さんに呼ばれてて・・・・』
またも逃げようとする彼女が去る前に、白布は言った。
「＿＿＿＿＿お前、本当に去年まで白鳥沢にいたのか？」」
続く (更新停止中)
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作者名：ゆゆ
| 作成日時：2023年2月1日 22時
