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ゴールデンウィークの練習試合の相手には、烏野がいたはずだ。そして烏野のマネージャーといえば・・・・とんでもなく美人の人なのである。
そんな人には迷惑かけられないし・・・ああああでも、ここで行ったら負けな気もする・・・。
「ちなみに断った瞬間、梟谷と音駒のグループチャットにその情報を流す」
拒否権ないじゃんかそれ。
圧倒的に不利なのは私の方だ。私としたことが、ここまで追い詰められるとは・・・・!しかも、よりによってこんな詐欺師に!!
舌打ちしそうなのを堪え、渋々ながらも「わかりましたよ」と言えば黒尾さんは隠す気もなく喜んでいた。あ〜あ、やっぱ行くのやめようかなあ・・・・。
『黒尾さん、あなたもう少し夜久さんを見習ったほうが良いのではありませんか?』
「つくづく失礼だな!?」
『ああ、あとは海さんとか。あれ、三年で常識ないのって黒尾さんだけ・・・?』
「よしわかった。ちょっとお兄さんとお話しようか」
『あ、口喧嘩なら得意ですよ。相手の精神を削るの好きなので』
「ごめんやっぱ何も無いです」
ニコリと可愛らしく笑いながら言えば、若干青ざめた黒尾さんに敬語で返された。
私が紅葉のように愛らしい性格をしているとでも?そう思っていたのならごめんあそばせ。私はそのような「いい子」からかけ離れた存在なので。
なんなら口調なんて女子のじょの字もないから。普通に口悪いし性格悪いし。見た目くらいか?女子っぽいところなんて。
「ところで、セッターのほうが得意みたいなことを言ってたけど・・・・本職がリベロなのはなんで?」
『私の尊敬している方がリベロなので!!』
「夜久のこと?」
『違いまーす。黒尾さんには言いません』
確かに夜久さんも凄いけど、私にとってその人はリベロをするきっかけになった人だから。だからこそ、得意なポジションであるセッターも捨てた。
その人を頭の中で思い浮かべながら、私は思わずクスリと笑う。
『ま、少なくとも黒尾さんには関係のないお話ですよ』
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はる - 初コメ失礼します!!この小説大大大大大好きです!!これからも頑張ってください!!応援しています!! (12月18日 13時) (レス) id: 41084e4d77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆゆ | 作成日時:2022年12月26日 22時