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体育館に行けば、知り合いの子からはこれでもかというほど驚かれた。
「え!優樹菜ちゃんってバレーできるの!?」
「えええええ!?超意外なんですけどお!!」
するとちせが自身満々で私の異名を言うもんだから余計に驚かれた。勿論それは梟谷側も同じで、快く受け入れてもらえたんだけど・・・・。
そんな期待されると無駄に怖いわ。
「打倒優樹菜ちゃんだーーー!」
「おおっ!」
とかなんか音駒側から騒がれているし。めっちゃ燃えてるのなんなの。・・・まあ、頑張ってねしか言えないんだけどね。
私ばっか目立っているせいか、ちせは頬を膨らませていた。優樹菜ばっかり、と吐露していたが、試合が始まれば相手は私ばっかに気を取られなくなるだろう。それを一番理解しているのは私だ。
リベロというポジションは守備専門で、攻撃はすることができない。
でもね、それに加担することはできるんだよ?
「ふふふ・・・久しぶりだけど、本気でよろしくね!」
『まあ・・・そうだね。派手にやっちゃいますか!』
弱小の水野谷。ずっとそう呼ばれ続けてきたけど・・・。今は違う。
【水龍の使役者】の本当の意味を知っているのは、水野谷中学の子だけなんだから。
「確かに優樹菜はリベロとしても優秀だよ。でも_____それだけじゃないんだから」
『私とちせ。なんとまあ・・・相手が可哀想になる組み合わせだよねえ』
「なんせ、優樹菜の本当の得意なポジションはセッター。総合的な意味での一位は、確実的に優樹菜になっちゃうんだよね」
ちせと私は顔を見合してクスリと笑う。
こう見えて、私たちだってちゃんと全中で決勝まで進出した身だ。やわなことはできないし、しようものなら己のプライドが許せない。
それを一番身に染みてわかっているのは、勿論苦楽を共にした私たちで。
『さ、今日も期待してるぞ。相棒』
「あったぼーよ!私も期待してるからね!相棒!」
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はる - 初コメ失礼します!!この小説大大大大大好きです!!これからも頑張ってください!!応援しています!! (12月18日 13時) (レス) id: 41084e4d77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆゆ | 作成日時:2022年12月26日 22時