第五章ー1 ページ25
☆
「なっ・・・なんで・・・・!」
『何故、私が生きているかという質問ならそれは簡単な話です。私の異能力【一夜十起】はあらゆるものを操れる・・・・つまり、体内に注入された毒もすぐに分解しました』
______二葉亭は悟った。
計画は全て燃えつくされ、人質も意味がなかった。仲間からの裏切り。だがしかし、彼にはまだ部下がいる。そんな期待を持って彼は部下達を見るが_____
____彼らは、視線を優樹菜に向けたまま微動だにしなかった。
「・・・・・まさか」
部下の一部は、優樹菜を見て顔を青ざめさせていた。
「
「おう。お前らが知ってるあの一夜家の一人娘だ」
愕然をして呟かれたその問いは、一瞬にして伊吹が答える。即答され、当の本人は卒倒するような勢いだった。それは、他の異世界人も同じ。
一夜家の一人娘____優樹菜は剣道の大会で三年連続優勝・・・・だけではなく、完全な全勝無敗。しかもそれが金持ちのお嬢様、ということで有名でもあったのである。
つまり、同じ世界から来た人間ならばその凄さを知っているわけで。
「・・・・・俺達は全員、お前の指示に従わないと殺されるから動いていた。いわば呪いのような契約_____今なら、それを破棄できるぞ」
伊吹の言葉を聞くと同時。彼らは全員武器を下ろした。
それを見た優樹菜は、苦笑して伊吹を見る。
『相変わらず、毒のような密を作り出すよね君って』
「そうか?俺はただ、都合のいいようにしてるだけだ」
そう言いながらも、本当は心優しいことを優樹菜は知っている。「どうだか」肩を竦めて笑えば、辺りに怒声が響く。
「______ふざけるな!!お前ら・・・俺がこの世界に呼び出してやったのになんて奴らだ!万死に値する!!」
「さっきから聞いてたんだけどさあ。結局あなたは部下を道具としか見ていないってことだ。・・・優樹菜ちゃんが怒っているのはそこだよ」
「っつーかよ、とっとと片すぞ。太宰、手前も手伝え」
「はいはい・・・っと。異能特務課のほうへとは既に伝達済みだ。もうすぐで到着するはずだよ」
手際のよいその行動。二葉亭は黒蜥蜴によって拘束された。彼の部下も全員武器は捨て、この地獄のような呪いから解放されて喜んでいた。
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ゆゆ(プロフ) - りんりんさん» ありがとうございます!頑張らせて頂きますね!! (2022年12月6日 20時) (レス) id: ee2abfb454 (このIDを非表示/違反報告)
りんりん - 続き楽しみにしてます!! (2022年12月3日 12時) (レス) @page21 id: 36ec43f1b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆゆ | 作成日時:2022年11月20日 0時