第四章ー１ ページ20
☆
翌日。浮かないように周囲に合わせた格好をして社交宴の会場へとやって来た優樹菜と太宰。招待状はというとしっかりと伊吹が準備をしていた。
会場内は大量までとはいかないが多数存在する。そのおかげでターゲットの居場所も見つけやすかった。「まずはひとまず様子を見よう」太宰は小声でそう指示をした。
「にしても、第二の異能力の事をどうして教えてくれなかったんだい？」
『あはは・・・いろいろ考え込んでたら、忘れてしまっていて』
「君は本当にミステリアスだ。私の想定外ばかりを攻めてくる」
『私から見れば、太宰さんのほうがよっぽど不思議な人ですよ』
小さく笑いながらそう言った優樹菜に、太宰も微笑む。この世界にやって来た二人目の人物。伊吹と再会して、少し落ち着いたのだろうか。彼女の表情はどこか晴れやかだった。
＿＿＿＿そういえば。
太宰は思い出したかのように問う。
「『まるで何かに呪われてしまったようだ』という言葉＿＿＿＿それを与謝野さんに言ったのはどうしてだい？」
優樹菜は一瞬キョトンとすると、ふっと意味ありげに微笑んだ。「内緒です」なんて言う優樹菜に、太宰もやれやれと肩を竦めた。
被害者に共通しているのは、悪夢を見ることとその言葉を言うこと。
悪夢は確かに見た。でもそれはただの偶然だと確信が持てている。＿＿＿＿だって、その悪夢がどんなものなのか彼女は覚えていないから。
被害者は鮮明に夢を覚えていた。だが、優樹菜はそうではない。ただ偶然な悪夢・・・人間なら、一度や二度あったりするのだから。
『ところで太宰さん』
「なんだい？」
『・・・・先程から、周囲の女性方はあなたにお熱い視線を送っておられるのですが・・・』
優樹菜は視線を逸らし、気まずげにすると静かに太宰から離れる。熱い視線を送られているのは太宰のみ。対照的に優樹菜はと言うと少し冷ややかな視線を浴びていた。
その意図を理解した優樹菜は距離を取ろうとしたのだが、離れる途中で太宰に腕を掴まれる。
「優樹菜ちゃんが離れると女性に囲まれてしまうんだ。そうなったら任務も果たせないし、君に離れられると困るのだよ」
＿＿＿＿＿＿だから、私からは�狎簑个豊疥イ譴覆い任諭�
禍々しい圧を受け、女性からの冷ややかな視線を浴び。優樹菜は若干震えた声で「はい・・・」と返事をしたのだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 88人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆゆ(プロフ) - りんりんさん» ありがとうございます！頑張らせて頂きますね！！ (2022年12月6日 20時) (
レス) id: ee2abfb454 (このIDを非表示/違反報告)
りんりん - 続き楽しみにしてます!! (2022年12月3日 12時) (レス) @page21 id: 36ec43f1b9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆゆ
| 作成日時：2022年11月20日 0時
