第三章ー５ ページ19
☆
「明日、長は社交
「成程。つまり君は裏切り我々と協力するということか」
何やら含みのある笑い方に、探偵社の数人は嫌な予感がした。こういった笑いをする場合、太宰は碌な事を考えていない。そして、その予感は的中する。
砂色の長外套のポケットに手を入れながら、太宰は面白そうに口角を上げる。
「その宴への参加・・・・そこで君は優樹菜ちゃんが必要なんだろう？＿＿＿＿＿社交宴の経験もある、ご令嬢・・・・それが優樹菜ちゃんだ。これで筋が通る」
「・・・・令嬢？」
「そう」
呆気にとられる社員。「＿＿＿＿＿だから」太宰は一歩優樹菜へと近づいた。
「会話から察するに、君は護身術も兼ね備えているご令嬢ということだろう？＿＿＿＿＿優樹菜ちゃん」
『・・・・まあ、あながち間違いではありませんけど』
剣道や軽い武道。全て自分を守るためにと始めたこと。
「ちょっとだけ優秀」＿＿＿＿＿そんなレッテルが貼られているのは、多くの金持ちが集まる、いわばお嬢様学校での話だ。彼女の通う学校は余裕で偏差値７０を上回っている。
そこで少しでも優秀な位置に立つ。それは容易なことではない。
ちなみに、ここまでの会話で一番取り乱しているのは。
「れ、れれれれれ令嬢だと・・・・？そんな人物をこんな探偵社に・・・・・？」
「お、落ち着いてください国木田さん！！」
＿＿＿＿＿＿国木田である。
「・・・・・よく考えたら、妙に大人っぽいところとか所作の美しさとか・・・・。ご令嬢と言われれば、納得がいきますわ」
「確かに。着ていた制服とかも良さげなものだったし・・・」
「言われてみると、凄く納得」
口々にそう言われ、優樹菜は少し照れたように愛想笑いを浮かべていた。そして国木田も我に返る。
「そういえば」ハッとしたように国木田は記憶を遡った。
「教えて欲しいと頼まれていた数学・・・・その範囲も中学生が学ぶようなものではなかったような・・・・」
『その節は大変お世話になりました』
とにかく、方針は決まった。
優樹菜だけでは少し危ういところもあるかもしれない。そういうことで、機転の利く太宰も一緒に潜入班へと加わる。乱歩達は別室にて指示。それと、優樹菜達のサポートということになった。
＿＿＿＿＿＿＿こうして、翌日となった。
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ゆゆ(プロフ) - りんりんさん» ありがとうございます！頑張らせて頂きますね！！ (2022年12月6日 20時) (
レス) id: ee2abfb454 (このIDを非表示/違反報告)
りんりん - 続き楽しみにしてます!! (2022年12月3日 12時) (レス) @page21 id: 36ec43f1b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆゆ
| 作成日時：2022年11月20日 0時
