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第二章ー5 ページ13





『この話の流れでお判りかと思いますが、昨夜に私を襲ってきたのは水蓮伊吹という人で、私の知り合いです』

「彼も異世界人、という解釈でいいのかな」

『ええ。・・・・ですが、まだ彼の異能力は不明です。私の氷塊を一瞬にして砕き、重力で相手をしようとしたその瞬間に攻撃されていましたし』



話が長くなりそうだったので、二人は近くのカフェに入る。外のテラス席に座り、優樹菜は事の顛末を話した。太宰は「そうか」と呟く。



『ですが、少し妙なところもあるんです』

「というと?」



紅茶の入ったカップをテーブルに置く。カチャン、と清い音が鳴った。



『水蓮君の利き手は左なんです。ですが、資料を読むに被害者が怪我をした場所は右利きでないと傷つけられないところ・・・・』

「裏に首謀者がいる可能性が高いということか。もしくは、他に暗殺者が出向いているか」

『私の勝手な考えですが、水蓮君は意味もなく人を傷つけるような人ではないんです。彼はとても優しい人ですから』

「へえ、随分親しい間柄みたいだね」

『まさか』



太宰の言葉に、優樹菜は苦笑する。その様子に、太宰は首を傾げる。

今の話を聞くに、優樹菜と伊吹は随分と仲良さげに見える。他から見てもそうだろう。だが、本人達は違う。



『・・・・彼とは、剣道の試合会場で会ったんです。そこで一戦を交えてからお互いライバル意識を持つようになりまして』

「・・・・ん?」

『まあ、水蓮君は私に一本すら取れたことありませんけどね』

「ちょっと待って」

『はい、なんでしょう』




「・・・・優樹菜ちゃん、剣道できるの・・・?」




驚くような、戸惑うかのようなその声に、優樹菜はキョトンとする。「言ってませんでしたっけ」なんて言う彼女に、すかさず「聞いてない!」とツッコんだ。完全な初耳だ。

なんということだ、と太宰は心の中で零す。全然スポーツ類をしているようには見えないし、完全な文芸かと思っていた。しかも、今回の事件の犯人と思われる人物に負けたことがないとのこと。



・・・・・ひょっとすると、この子はとんでもない子ではないのだろうか。


ふとそういった考えに至った。





『こう見えて、三年連続優勝してるんですよ?私』

「えッ」




サラリと告げられた更なる衝撃な事実に思わずむせた。

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ゆゆ(プロフ) - りんりんさん» ありがとうございます!頑張らせて頂きますね!! (2022年12月6日 20時) (レス) id: ee2abfb454 (このIDを非表示/違反報告)
りんりん - 続き楽しみにしてます!! (2022年12月3日 12時) (レス) @page21 id: 36ec43f1b9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆゆ | 作成日時:2022年11月20日 0時

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