第一章ー5 ページ6
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「やあやあ皆!無事帰ってこれて何よりだよ!」
『・・・えっと、ポートマフィアが攻めてきていたのでは・・・?』
「そんなの、とうの昔に消え去ったよ」
探偵社に戻れば、少し室内は荒れているものの、特に異変はなかった。てっきり大変なことになっていると思っていた優樹菜は呆気にとられる。「大丈夫、この人達が強すぎるだけだから」敦は己にも言い聞かすように言った。
ところで、と太宰はふざけたような雰囲気から真剣な表情になる。
「優樹菜ちゃん。もう判っているだろうけど、君は今ポートマフィアから狙われている。確証はないが、おそらくは君の異能力が原因だろう」
『私の異能力・・・・【一夜十起】がですか?』
「うん。優樹菜ちゃんの異能力は強大すぎるんだ。それに加え、まだ15の純粋な女の子だ。君をとっ捕まえてマフィアに育て上げようとか考えてそうだね」
氷、炎、水、風、重力______
まるで複数の人の異能力を合わせたような優樹菜の異能力。まだ風や氷しか操ったことはないが、以前の事件で
思い悩むように優樹菜は少し冷たい自分の手を見つめた。その横で、鏡花は心配そうにしている。
『・・・・私は』
一拍置いて、優樹菜は言う。
『私は、ここにいたいです』
「・・・・うん、君ならそう言ってくれると思ったよ」
太宰は表情を和らげる。太宰だけじゃない。他の皆も優樹菜の言葉にホッとしたようだった。「・・・となれば」太宰はいつもの何かを企む顔をした。
嫌な予感がなんとなくでよぎる。
「ポートマフィアは何がなんでも優樹菜ちゃんを手に入れようとするはずだ。でも、そんなこと・・・させるわけないよねえ?」
「・・・そういえば、さっきあの人達『あの人』って言ってた。あの人が来るまで足止めを____って」
「あの人?芥川の奴、そんなこと言ったの?」
不意に思い出したかのように呟く鏡花に、敦がいち早く反応する。優樹菜と鏡花は同時に頷いた。
_____というか、あの人ってもしかして・・・・
優樹菜はとある人物を思い浮かべながら少し複雑そうな顔をしていた。あの人が一番今回の自分をポートマフィアに入れることに乗り気なら、非常にまずい。いろいろと。
重力を操るそんな人物を思い浮かべながら、優樹菜はその予感が外れることを祈るのだった。
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ゆゆ(プロフ) - 月夜さん» ありがとうございます!もちろん受け付けております! (2022年11月13日 22時) (レス) id: 35eb047a16 (このIDを非表示/違反報告)
月夜 - 最高ですね!番外編ってリクエスト大丈夫だったりします? (2022年11月12日 22時) (レス) @page42 id: 27bef482ad (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - はなさん» 期末テストが終わり、修学旅行も終わった後からの更新スタート!今は着々とストーリー書いてるよん(*^-^*)♡あと私は神ではない。真の神はあなたである(意味不明) (2022年11月12日 22時) (レス) id: ee2abfb454 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 新シリーズ…!神か?神だったな…(自己解決) (2022年11月12日 19時) (レス) id: eb8cebab9c (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - 椿姫さん» わー!ありがとうございます!12月からは新シリーズ突入なので、そちらも見てくださると嬉しいです! (2022年11月10日 21時) (レス) id: ee2abfb454 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆゆ | 作成日時:2022年10月23日 11時