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第五章ー2 ページ27




太宰が優樹菜に会いに来た翌日。暇を持て余し出した優樹菜が何かできることはないかと中也や紅葉に問うたが、決まって二人はこう言った。


「お前に手荒なことはさせねえよ」

「優樹菜に傷がつかないことがわっちにとって一番の幸福じゃ」



自分のことを思ってそう言ってくれているのは一目瞭然だった。一人、部屋の中でため息をつく。窓の外は今の彼女の心情を表すかのように曇っている。数日前の晴天が嘘のようだ。


____どうしたものかなあ。

心の声を口に出しそうになった時、勢いよく部屋の扉が開け放たれた!「優樹菜姉さま!」まだ幼い少女の声が聞こえ、優樹菜は思わず微笑む。



『どうかしたの?エリスちゃん』

「えへへ、リンタロウったらまーた私を着せ替え人形にしようとするのよ?うんざりして、優樹菜姉さまのところに来ちゃった!」



無邪気な表情でそう言ったのは、リンタロウ____鴎外の異能力のエリスだ。金髪の髪が曇り空の世界を照らす光のように輝いている。

ここ数日で、エリスは優樹菜のことに非常になついた。大人だらけの闇の世界。そこに優樹菜がやって来たのだから嬉しかったのだろう。二人でいわゆる「女子トーク」というものをするのはお互いに楽しいものだった。


勿論鴎外もこれには承諾している。殺伐した空気の中で優樹菜に心労を与えないためにも、と笑って言っていた。本当にポートマフィアの首領なのか、と疑いたくなるほどの善人ぶり。だけど、その手で人を殺めたことも間違いではない。



「ねえ、またお話聞かせて!優樹菜姉さまのお話はどんな本よりも面白いわ!」

『本当?そう言ってもらえて嬉しいな!じゃあ今日は、私が学校に通っていた時の話を_____』



______それは突然だった。

和やかな空気を打ち砕くかのように、曇り空を映していた部屋の窓ガラスが勢いよく砕け散る。いち早くそれに反応し、エリスは優樹菜を引っ張って部屋の端へと移動した。散って鋭くなったガラスの破片が部屋中に散らばる。そしてその上を誰かが着地した。



ふわり。降り立った者の漆黒のドレスの裾が揺れる。靡く黒髪からは、鮮血のような瞳が輝いていた。




「______あなたが・・・お兄さまの」




その者が呟いた言葉は、優樹菜にもエリスにも届くことはなかった。

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ゆゆ(プロフ) - 月夜さん» ありがとうございます!もちろん受け付けております! (2022年11月13日 22時) (レス) id: 35eb047a16 (このIDを非表示/違反報告)
月夜 - 最高ですね!番外編ってリクエスト大丈夫だったりします? (2022年11月12日 22時) (レス) @page42 id: 27bef482ad (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - はなさん» 期末テストが終わり、修学旅行も終わった後からの更新スタート!今は着々とストーリー書いてるよん(*^-^*)♡あと私は神ではない。真の神はあなたである(意味不明) (2022年11月12日 22時) (レス) id: ee2abfb454 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 新シリーズ…!神か?神だったな…(自己解決) (2022年11月12日 19時) (レス) id: eb8cebab9c (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - 椿姫さん» わー!ありがとうございます!12月からは新シリーズ突入なので、そちらも見てくださると嬉しいです! (2022年11月10日 21時) (レス) id: ee2abfb454 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆゆ | 作成日時:2022年10月23日 11時

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