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「ちょっとちょっとちょっと!!」
一つの建物の中で、赤髪の長い髪を一つに束ねた少女が慌ただしくドアを開けた。部屋の中にいた者達は怪訝そうに彼女に視線を向ける。
「うるさいぞローザ。もっと静かに入ってこれないのか」
「ごめん!ところで皆!さっきベルテさんに聞いたんだけど、今日から新しい子がフィーシ寮に加わるんだって〜!どうしよう、歓迎会とかしたほうがいいのかな!?」
赤髪の少女____ローザは楽しそうに言いながら注意を促してきた紫髪の少年、ウェームにに意気揚々と問う。「やかましい」と一喝するも、やはりローザの耳には届いていない様子。
それを見越してか、近くのソファに座って本を手にしていた琥珀色の髪と目が特徴的の大人びた少女___リフェロが苦笑して「ローザ、少しは落ち着きなさい」と促した。ローザはハッとすると少し頬を赤らめる。
「ご、ごめん・・・。後輩が寮に入って来るのが初めてだったから、思わずはしゃいじゃった」
「まったくよ。騒がしいったらありゃしないわ」
「マーレ!」
キッチンから出て来た、マーレと呼ばれる緑髪の少女を見つけ、ローザが駆け寄る。マーレの手には二つのカップがあった。片方がローザに渡される。ローズヒップのまろやかな香りが辺りを漂わせた。
「それで、その新メンバーとはどういう人達なんですか?」
眼鏡をかけた少年、ネロが問う。判りにくいが、眼鏡の奥にあるサファイア色の瞳が瞬いた。その問いに、ローザは「今日入学する、中学棟の子だよ!」と答えた。
「・・・・そうか。今日が入学式か」
意味ありげにウェームが呟く。あれほど騒がしかった空間が静まり返った。
「毎年、入学式に
リフェロの琥珀色の瞳が、不自然に揺らぐ。それに気づいているのかいないのか、ウェームは言葉を紡ぐ。
「そして_____次の日の授業までたどり着ける者は多くて
開け放たれた窓から、風と共に桃色の花弁が入り込む。ソファの前に置かれているテーブル。その上に置かれていたティーカップにそれが落ちた。花弁の浮く紅茶の入ったカップを、リフェロは優しく持ち上げる。
「私達フィーシ寮の後輩は、未だ誰も
その時は丁度、ホープとアランが校門をくぐり抜けたところだった。
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ゆゆ(プロフ) - たむたむさん» 初コメありがとうございます!!現在、友だちがトップ画を手掛けてくれているので、お楽しみに! (2022年10月24日 21時) (レス) id: ee2abfb454 (このIDを非表示/違反報告)
たむたむ(プロフ) - 初コメ失礼します!ゆゆさんのオリジナルは私得でしかない…更新楽しみにしています! (2022年10月24日 20時) (レス) id: b722612dff (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - 蒼衣さん» 私は蒼衣さんが読んでくれていることがうれしい (2022年10月23日 23時) (レス) id: ee2abfb454 (このIDを非表示/違反報告)
蒼衣(プロフ) - ふあ。おりじなる。うれしい (2022年10月23日 20時) (レス) @page3 id: 07bd606f9d (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - 掛け持ち魔チョコミルク チョコミント味 2号さん» 友だちに書いて!って言われてようやく出せました〜!お久しぶりです!いつもありがとうございます!! (2022年10月21日 23時) (レス) id: ee2abfb454 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆゆ | 作成日時:2022年10月21日 20時