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「なるほど、それで遺体を発見したのね」


警察手帳に情報を書き込んでいく佐藤刑事。彼女はコナンの話を聞いてふむふむと頷いていた。

・・・・ここまで警察に信頼されている小学生なんて、なかなかいないと思うが。そんなことを内心で思いながら優樹菜は苦笑する。


「でもね、佐藤刑事」

「ん?」


ここで、コナンがいつもの「あっれれー」声でいかにも「不思議です!」とでも言いたげな声を出した。どうしたの、と佐藤が問うと、コナンは優樹菜の横にいる人物に視線を流した。

一見可愛らしい美青年。


ゆったりとしたパーカーを着ている彼はキョトンと首を傾げた。



「そこのおにーさん、さっきこの事件を殺人事件って言ってたよ」

「えっと・・・優樹菜ちゃんの知り合い?」

『転校生の・・・羽倉環君です』

「羽倉環です〜」



「(えらく可愛い男の子ね)」

『(私もそう思います)』




佐藤の考えていることが手に取るように分かった優樹菜はコクリと頷いた。


環はゆるりとした空気を纏っている。が、コナンが彼に向ける視線はなかなかに殺伐としていた。

確かに彼は変だ。何故か優樹菜にだけばっかり話しかけてくるし、なんでか一緒にクレープ食べる羽目になってたし。・・・・間接キスしちゃったし。



「それで、どうして殺人事件って思ったの?」

「なんでって・・・・見たまんまだから?」

『どういうこと?』

「まず被害者から流れている血液だけど______」




______とまあ、ペラペラと事件の真相を語りだす環。

圧倒的な正確さとその推理力に思わず目を剥いた。


そして思い出す。彼が初めて教室に入ってくる前____彼の噂が飛び交っていた時。この学校を過去最高点で入って来た人物だと。

編入テストは高難易度ではないが、それなりの難しさはある。それを過去最高得点_____風の噂では全教科満点だったとかなどなど、なかなかの賢さを持ち合わせているらしい。



だからこそ事件の真相にも辿り着いた。流れで、すぐに犯人までも当ててしまった環に、流石のコナンも言葉を発せずにいた。




この場の誰もが、彼のこの独壇場の上に上がれずにいたのだ。

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作者名:ゆゆ | 作成日時:2023年5月30日 22時

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