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「なあ、×××。お前、あの噂を知ってるか?」


あの日、あの時。×××の知り合いがそう問うてきた。

×××は「噂?」と首を傾げる。



「この世で最も珍しい瞳____宝石眼を持つ女のことだ。そいつ、影の世界(こっち側)では賞金かけられてるらしいぜ?」

「へえ・・・・」

「興味無さげだな。まあ、お前ならそうか」



お前に言った俺がバカだったよ、と目の前の彼は言った。元より、×××はそういう賞金やらに興味なんてない。

本当に欲しいものは____手に入れたいものは_____・・・・・。



そんなある日。出会ってしまった。

自分よりも小さな身体、風に揺れる光沢のある黒髪。そして、この世の全てを浄化するかのような、透き通った宝石眼(ブルーサファイア)



その瞳は誰もを魅了する。それは、×××もその一人だった。

しかし、最後に見た光景は_____






美しい青い宝石が、赤に染まった姿だった。













_______ずっと追いかけていた、彼女のことを。


また逢えると、巡り逢えると信じて。

そして今度こそは_____





今度こそは絶対に、守ってみせるから。



『あなたと出会えてよかった・・・・・×××君』




もう二度と、彼女を赤には染めやしないから。

だからもう一度。




もう一度_______




「ねえ!君のお名前はなんて言うの?」



驚いている一人の少女を前に、にっこりと笑ってそう告げた×××。

×××______羽倉環は、こうして彼女と巡り逢った。




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作者名:ゆゆ | 作成日時:2023年5月30日 22時

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