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「優樹菜ちゃん見て〜!これ、可愛くない?」
ピンクのうさぎと水色のくまのマスコットを手に、同じクラスで友人の
目を瞬かせた
「どっちが好き?」
『えっと、青いほうかな』
「よし!じゃあ優樹菜ちゃんはくまね!」
『え』
水色のくまのマスコットを半ば強制的に優樹菜に握らせる結愛。お揃いね、ってニッコリと告げた彼女に、優樹菜も戸惑い気味にこくこくと頷いた。
マスコットには小さな鈴もついていて、揺れるたびに綺麗な音色が奏でられる。結愛が楽しそうにうさぎのマスコットをバッグにつけるのを見て、優樹菜も笑みを浮かべてバッグに手を伸ばしたのだった。
二人のバッグにお揃いのマスコットがつけられ、話題が転換する。
「そういえばさあ、なんか転校生来るらしいね」
『ああ、なんか皆言ってるよね。如月さん知ってる?』
「さあ・・・?噂程度だけだよ」
窓際の一番後ろの席。
空席のそこに座る人物はまだこの場にいない。
転校生が来るという噂はしばらく前からあった。そして、それが今日なのだ。普段から騒がしい教室も、やたらと神妙な空気になっている。
これも噂だが、編入試験で過去最高得点を取ったとかなんとか・・・。
______そして、朝礼時。その人物はやって来た。
普通の女の子よりは背が高くて、普通の男子よりかは一回り小さな体。華奢な雰囲気を纏うその人物は、少し癖のある髪を靡かせながら教卓の前に立った。
「初めまして〜!
・・・・・・・また癖のある奴が来た。
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作者名:ゆゆ | 作成日時:2023年5月30日 22時