１６ ページ16
☆
青城との練習試合は、結局私たちのチームがストレート勝ち。
久しぶりに凄く動いたから疲れたな・・・・と体育館の隅で邪魔にならないように座って休憩していれば、頭上で影が差し掛かった。
「隣、いい？」
『及川さん・・・ええ、どうぞ』
慌ててそう言えば、及川さんは笑って私の隣に腰を下ろした。
・・・・・のはいいんだけど、なんで私？すっごく気まずいんだけど。
内心あわあわとしていれば、及川さんは「凄いね」とただ一言呟いた。それに思わず「え？」と返せば、及川さんはお兄ちゃんたちと会話をしている青城の人たちを見ながら話す。
「優樹菜ちゃんのセッターとしての技術。本当に凄いよ。同じセッターだからこそ分かる。相手を翻弄し、さらにはスパイカーに全力で答えようとしてる姿勢。
・・・・あの日見た時も思ったけど、本当に凄いね」
『あの日・・・・？』
「中学の時、体育で合同の時があったんだ。その時に他学年の女子がバレーしてて、セッターの役割を果たす優樹菜ちゃんを見つけたってワケ」
それで、私はハッとした。
もしかして・・・・だけど、及川さんの宣戦布告って。
『・・・・あの日と、先日のあの発言。もしかして、バレーのことだったんですか？』
＿＿＿＿＿＿�爐箸砲�く！絶対負けないから！��
「んん〜ま、そんな感じ！ところで、優樹菜ちゃんはなんでバレー部じゃないの？」
『その、部員とかの上下関係が好きじゃなくって。特に女子は男子よりもそれが激しいところが多いから、私はそれが苦手なんです』
「へえ、もったいない。試合に出ればすぐに活躍できるだろうに。こんな凄いセッター、なかなかいるもんじゃないよ？」
『・・・・それを言うなら・・・・、あ、いえ、なんでも』
「なんで止めるの！？」
途中で言葉を止めた私に及川さんはすぐさまツッコむ。
この人、バレーしてるときはクールな感じだけど・・・なんで普段はおちゃらけているんだろう。本当に不思議な人だ。
そんな本音を隠しつつ、私は悩む。
別に言っちゃいけない、なんてことはないと思う。だけどなんというか・・・。
『・・・・及川さんのほうが凄いって、私は思います』
「え？いや、優樹菜ちゃんのほうが凄いじゃん」
『えっと、そうじゃなくて。私・・・及川さんみたいに空気の切り替えとか、人の表情読んだりとか、苦手なので』
だから凄いなと。
そう言えば、及川さんは不思議そうにしていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 74人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「ハイキュー」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はな(プロフ) - ゆゆさん» 嬉しい...!10年後でも待ってるよー！ (2022年8月9日 20時) (
レス) @page45 id: eb8cebab9c (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - はなさん» おっとフラグです！次話くらいにでてくる・・・・かも・・・・！？ (2022年8月9日 20時) (レス) @page46 id: ee2abfb454 (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - 赤葦の次はくにみん...?!ヤバい...各校の推しが活躍してきてる...あとは研磨！最推しまってるよ！ (2022年8月9日 19時) (レス) @page45 id: eb8cebab9c (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - ゆゆさん» それな (2022年8月9日 17時) (レス) id: eb8cebab9c (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - はなさん» 赤葦くんカッコいいよね・・・・！普段笑わないから、笑ってるときの破壊力ヤバいのよ (2022年8月9日 17時) (レス) id: ee2abfb454 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆゆ
| 作成日時：2022年7月3日 0時
