宣戦布告が示す意味

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☆



『無理無理無視、やっぱり無理だよお兄ちゃん』

「弱気になんねえの。お前なら平気だって！兄である俺が保証する」

『なんで・・・・！？』




コートに入ってからというものの。実際に宮城の強豪と呼ばれる青城からの圧が凄すぎて既に逃げ出したくなっている私。

先日に見たインターハイ決勝。それを見てしまっているからこそ、相手の強さを知ってしまっている。


そんな強豪に、私が敵うはずなんてもとよりないに決まっている。ただでさえ男女差があるのに・・・・・。




「怪我しないように、気楽にやろーね☆」

『・・・・ひえっ』




同じセッターの及川さんが私たちの会話を聞き、ネット越しにそう笑顔で言ってくる。


笑顔だからこそこの人は怖い。何しでかすか分からないし・・・・。何より、未だ不明な宣戦布告されている相手だし・・・・。



「及川くん、俺も南海だから、優樹菜のことは名前で呼んであげてくんない？」

「了解でーす！よろしくね、優樹菜ちゃん☆」

『え、あ、お兄ちゃん！？』

「大丈夫だ優樹菜。お前のセッター力を、宮城の強豪に見せてやれ！」

『無理だよそんなの・・・・』



なんでわざわざそんなことを言うのお兄ちゃん。

ほら、見てよ青城のほう。みなさん興味津々でこっち見ちゃってる！怖い！


全員背高いし、私があの人たちのスパイクをブロックできるはずがないし・・・。





『・・・・お兄ちゃんなんて嫌い。大っ嫌い』

「えっ！？兄ちゃん泣くぞ！？」

『もうトスあげない』

「嘘だろ！？そこは兄妹コンビで一発スパイク決めるヤツだろ？なあ優樹菜ーーーー！」





・




「・・・・なんか、あの兄妹凄い性格正反対だな」

「優樹菜ちゃんのほうはクールっぽくて、お兄さんは子どもっぽいって言うか・・・・。アレ、立場逆・・・・？」

「大学生相手だから、もっとピリピリするかと思ったら案外そんなことねえのな」

「主にあの子のおかげだろうけど」

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