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「うるさいです木兎さん」
梟谷の二年セッターである赤葦さんが怪訝な顔でツッコむ。
さすがはお世話係。頼りになる。
木兎さんは私を見たまんま固まっているけど、会ったこともないのに何に驚いているのだろうか。
「あの小ちゃいの!俺にタオルくれた女神の子!」
『は!?』
思わず素っ頓狂な声を出してしまった。
私が誰かにタオルを差し出したのって、数日前にあった、橋から無様に落ちた人にしかしてない。
いや、でも木兎さんならすぐに気づくはずなんだけど・・・
「ほら!俺!」
戸惑っていれば、木兎さんは髪をぺたりと押す。
つまり、いつもの上がっている髪ではなく、まるでお風呂上がりのような______
それに気づいた瞬間、今度は私が驚く番だった。
『・・・・ああああっ!』
「思い出した!?俺、木兎光太郎!梟谷三年!」
『一年の天都です・・・って』
関わりたくないとか言いながら、見事に自分から関わりに行ってんじゃん私。
何してんだよ。何してくれちゃってんだよあの時の私。
「なーなー!見学してんだろ?下来いよ!」
『あなたのスパイクとか当たったら死ぬんで遠慮しまーす』
「そうだぞ木兎!女の子にお前のスパイクが当たったらと考えると・・・ヤバいぞ」
「それは私たちマネージャーは女子じゃないと言いたいのかな」
梟谷のマネージャーの美人お二方、白福さんと雀田さんの登場により、木兎さんに話しかけていた木葉さんがキレられていた。
可哀想、ドンマイ。
「でも俺・・・あの子に近くで見てもらいたい・・・」
「!」
しゅんとした木兎さん。そしてそれに反応して顔を見合わせる他の部員。
そして音駒は呆れ顔。
・・・・もしやこれは。
「あかぁーしぃー・・・」
「・・・・・」
『・・・・下に行けばいいんですね?』
多分これが木兎さん名物の「しょぼくれモード」とやらだ。
明らかに面倒そうな、困ったような赤葦さんに居た堪れず私がそう言えば「ほんと?」と沈んでいた気持ちを上げる木兎さん。
『はい。・・・5本指に入るその実力、カッコよく見せてくださいね、木兎さん!』
「・・・任せろぉ!おっしゃ!一発やるか!」
☆
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ゆゆ(プロフ) - 林檎さん» なんてことだ・・・!ありがとうございます!あとから訂正します! (2022年8月7日 14時) (レス) id: ee2abfb454 (このIDを非表示/違反報告)
林檎 - 29話ブロックがブラックになってますよ (2022年8月5日 10時) (レス) @page29 id: eb220bc671 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - Ruka&Rikoさん» ええっ!それはよかったです・・・!わざわざコメントありがとうございます!! (2022年3月22日 17時) (レス) id: ee2abfb454 (このIDを非表示/違反報告)
Ruka&Riko - いや、ちょ、待って!好きな種類なんですが...!?うわぁ〜イベント参加マジでありがとうございます! (2022年3月22日 13時) (レス) @page46 id: 840140337c (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - Koma?さん» え、喜んで!(笑)いつも読んでくださりありがとうございます!テンション高めな辛口天っちゃんをどうぞお楽しみください! (2022年1月31日 18時) (レス) id: 43298fbcb4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆゆ | 作成日時:2022年1月18日 21時