34 ページ34
・
気を失ったプラーミャを抱えたのは、元婚約者の村中だった。
村中は安室を見て、今すぐこの場から離れるよう促す。困惑する安室に対し、村中は続けた。
「ここにいたらまずいんじゃないか。君は公安の人間なんだろう?」
「何故それを!?」
「長いこと刑事をやってたんでね。わかるんだよ、勘で。まあ、婚約者には勘が働かなかったようだがな」
______大丈夫。目暮達には黙っておくさ。・・・・生きていればな。
・
「おそらく皆が集まるのは、スクランブル交差点の中央!とにかくそこの周囲までいけば、全員が爆薬を塞き止めるために動き始めているはずだよ」
『・・・・よく覚えてるね、映画の内容なのに』
「そりゃあ映画は軽く二桁は観に行ったからね!」
成程。この子はコナンオタクであった。
液体が流れている道を走り抜けながら、優樹菜は前を走る結愛についていく。
こんな危機な状況なのに、結愛は幾分か楽しそうだ。それもこれも、未来の展開を細かく詳しく覚えているからだろう。逆に言えば、何も覚えていない優樹菜は心配でしかないのである。
息をきらして走っていれば、前のほうでサスペンダーを引っ張っている歩美がいた。どうやら、その後ろにある柵にサスペンダーを結びたいらしい。だが、届かなくて困っているようだ。
『歩美ちゃん!』
「っあ、優樹菜お姉さん・・・・!」
転びそうになった歩美を支え、優樹菜もサスペンダーを掴む。結愛もそれに続き、三人で引っ張る。しかしそれでも足りなかった。
どうするものか・・・と困難していれば、誰かが姿を現わした。
「手伝うわ。そこに結べばいい?」
聞き覚えのある声に、ハッとして顔をあげれば、そこにはエレニカが立っていた。
「他のところにも、私の仲間が向かっている。安心してもらって構わない」
『・・・よろしいんですか。その・・・』
「・・・・プラーミャのことなら大丈夫だ。あの少年に、言われたからな」
それだけでわかった。少年、とは・・・コナンのことだろう。
流石だな、と思いつつ、優樹菜達は一緒に柵にサスペンダーを結び付けた。歩美はバッヂでそれを連絡。どうやら、他の場所も準備完了したらしい。
すると、広場の方向でどんどん見覚えのあるサッカーボールが膨らんでいくのが見えた。
しかし、後ろから嫌な音が聞こえて来たのも同時だった。
196人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
【名探偵コナン】全キャラクターが持つ能力を全て扱える様になったから無双する 22
ティータイムに白杖を添えて【安室 透】
【鬼滅の刃】継子を探していただけなのに【名探偵コナン】
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆゆ(プロフ) - yumさん» 初コメありがとうございます〜!最近忙しくって更新できていませんでしたが、今日は頑張って更新させて頂きます! (2023年4月17日 20時) (レス) id: ee2abfb454 (このIDを非表示/違反報告)
yum - 初コメ失礼します!この作品めちゃくちゃ面白いです!更新頑張って下さい🙌応援してます📢 ̖́- (2023年4月12日 19時) (レス) @page7 id: 078a32e2da (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - 花音さん» 初めまして!そう言っていただけて嬉しい(*^-^*)♡ありがとうございます! (2023年3月21日 17時) (レス) id: ee2abfb454 (このIDを非表示/違反報告)
花音(プロフ) - 初めまして♪凄く面白かったです( ≧∀≦)ノ続きがとても気になります( ;`Д´)これからも応援してます(^○^) (2023年3月20日 11時) (レス) @page7 id: c9954f1e86 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆゆ | 作成日時:2023年3月18日 23時