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「結婚式は村中さんとクリスティーヌさんだけでやるんだって」
小五郎が入院している渋谷中央病院に来ていたコナンと蘭は、今日行われるであろうあの新郎新婦のことを思い返していた。
ハロウィンの夜。賑わうはずの会場。幸せに包まれる____そんなはずだった結婚式は、今回の騒動で無くなってしまった。「せっかくの結婚式なのにかわいそう」と蘭も気の毒そうに呟いた。
病室の扉を開ければ、目の前にはいびきをかいて爆睡している父親。蘭は思わず呆れたように息をつく。一方で、コナンはベッドの横にあった椅子の上にあったメモに目をやった。『¥』が横向きに描かれたようなマークに、なんて書いてあるかわからない、アルファベットのような文字。
「このメモ、なあに?」
「え?ああ・・・警視庁前で爆発が起きた時に目の前に落ちてきたメモを見て思い出して、ちょっと書いてみたの」
「蘭姉ちゃん、メモを見たの!?」
メモを拾った灰原ですら中身を見ていなかったし、唯一中身を知っていたあの男も今や亡くなってしまった。まさか、こんな身近に見ていた者がいたとは。
驚愕しているコナンに、蘭は少し困った様子を見せる。
「見たと言ってもチラッとだけよ。燃えてたから、優樹菜ちゃんがすぐに消化してくれたし。英語じゃないみたいで、なんだかよくわからなくて。お父さんが起きたら聞いてみようと思ってたんだけど、あのときは病院について行ったりバタバタしてたから、警察の人にも言う間もなくって・・・・」
書かれている図を凝視していたコナンは、ふと何か違和感を感じた。どこかで見覚えのあるこの謎の図形。そして_____一気に目の前が開けたような気がした。
弾けるようにして、コナンは病室を飛び出した。
記憶の中にある、これまでの事々がフラッシュバックするかのように脳内で駆け巡った。
脅迫状。大事なメモ。村中夫婦の出会い。松田刑事に見せたかったメッセージ。復讐。_____結婚式。
________見つけた。
「ここだ。ここに答えがあったんだ」
コナンはたった一つのポスターの前で立ち止まった。
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ゆゆ(プロフ) - yumさん» 初コメありがとうございます〜!最近忙しくって更新できていませんでしたが、今日は頑張って更新させて頂きます! (2023年4月17日 20時) (レス) id: ee2abfb454 (このIDを非表示/違反報告)
yum - 初コメ失礼します!この作品めちゃくちゃ面白いです!更新頑張って下さい🙌応援してます📢 ̖́- (2023年4月12日 19時) (レス) @page7 id: 078a32e2da (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - 花音さん» 初めまして!そう言っていただけて嬉しい(*^-^*)♡ありがとうございます! (2023年3月21日 17時) (レス) id: ee2abfb454 (このIDを非表示/違反報告)
花音(プロフ) - 初めまして♪凄く面白かったです( ≧∀≦)ノ続きがとても気になります( ;`Д´)これからも応援してます(^○^) (2023年3月20日 11時) (レス) @page7 id: c9954f1e86 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆゆ | 作成日時:2023年3月18日 23時